2022 Fiscal Year Annual Research Report
極域熱圏加熱の起源の解明:光と電波を用いた統合高解像度イメージング観測
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22H01283
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大山 伸一郎 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 講師 (20444424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 泰信 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 准教授 (00362210)
坂野井 健 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80271857)
細川 敬祐 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80361830)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 超高層大気 / 熱圏 / 電離圏 / オーロラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はオーロラによる極域熱圏の加熱(温度上昇)と膨張(上昇流発生と水平風加速)との関係を観測データから解き明かすことを目的としている。これまでの理論・シミュレーション研究によって、この加熱と膨張の定量的理解の根源は数十~百km規模(メソスケール)のオーロラと電離圏イオン速度の空間構造にあることが示された。しかし電離圏・熱圏・オーロラの同時高分解能観測(とりわけ熱圏観測)の難しさから、観測実証はできていない。 本事業の開始以降、北欧で運用する光学干渉計(FPI)、オーロラカメラ(ASI)、欧州非干渉散乱レーダー(EISCAT)を用いた観測実験を実施してきた。その活動で取得したデータとともに、電離圏トラフと呼ばれる低密度領域に局所的に発達する電離圏イオンの流れと、それによって加速される熱圏風の時間発展を解析し、誌上論文と学会発表を本科研費予算を用いて実施した。 本科研費予算を用いて北欧の観測施設を訪問し、メンテナンスを行うことで装置を最良の状態に維持した。その結果、継続的に良好なデータを取得できた。 2023年度に計画する光学観測装置の設置に向けて、観測場所の整備状況について現地担当者と協議を進め、ノルウェー・シーボトンにある大学施設に設置することを決めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画は、2022年度に既存装置のアーカイブデータを解析し、その結果を、次年度に実施するSDI-EISCAT_3D-ASI総合観測実験の計画立案に生かす予定になっていた。解析は順調に進行し、次年度事業に必要な情報を得ることができた。 北欧に設置された関連観測装置のメンテナンス、運用を本予算で行い、大きな故障なく順調に稼働し、良好な観測データを取得することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度前期(計画年度2年目)までに既存データの解析を通して、同年度後期から始まる SDI-EISCAT_3D-ASI総合観測実験の計画を立案する。米国で製作する観測装置を2023年夏に北欧へ輸送し、フィンランドとスウェーデンの観測所に設置する。同年秋にはテスト観測を開始し、北欧での夜間光学観測の季節が修了する2024春までにファーストライトの取得を目指す。 2023年5月と11月に開催される国内学会、2023年12月に米国で開催される国際学会で成果発表を行う。
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[Presentation] What can we learn from the quiet high-latitude ionosphere?2022
Author(s)
Oyama, S., H. Vanhamaki, L. Cai, A. Aikio, M. Rietveld, Y. Ogawa, T. Raita, M. Kellinsalmi, K. Kauristie, B. Kozelov, A. Shinbori, K. Shiokawa, T. T. Tsuda and T. Sakanoi
Organizer
JpGU 2022
Int'l Joint Research
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