2022 Fiscal Year Annual Research Report
霞ヶ浦における過去5000年間の季節を分けた洪水史復元
Project/Area Number |
22H01307
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 桂 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80402098)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香月 興太 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 講師 (20423270)
多田 隆治 千葉工業大学, 地球学研究センター, 嘱託主席研究員 (30143366)
入野 智久 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70332476)
多田 賢弘 千葉工業大学, 地球学研究センター, 研究員 (80909565)
鈴木 健太 千葉工業大学, 地球学研究センター, 研究員 (40913629)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 霞ヶ浦 / 洪水 / 過去5000年間 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年7月に湖岸の陸上(KS22-03)にて,また,11月に霞ヶ浦(西浦)南西部(KS22-04)にて,コア試料の採取をおこなった. KS22-04コアはコア長約4 mで,主に泥と極細粒砂からなり,時折貝殻片を含んでいた.このコアを長さ1 mごとのセクションに切断したのち,それぞれ縦に半割し,記載,写真撮影をおこなった.その後,片方からはCT画像撮影および元素組成分析用のスラブ試料を採取し,残りは厚さ2 cmごとにカットした.もう片方は厚さ1 cmごとにカットし,貝形虫,珪藻,有機物分析用試料とした.さらに,同試料から貝殻や植物片を抽出し,14C年代測定用試料とした.それらは3月末までに分析の前処理を実施済みであり,測定の順番を待っている状態である.貝形虫分析については,長さ4 mのコア試料から10 cmに1つずつ試料を選択し,水洗後乾燥させ,残さから貝形虫殻の顕鏡を行った.その結果,全ての試料から貝形虫殻は観察されなかった. 湖岸の陸上にて採取したコア試料は,貝殻まじりの砂からなり,未固結であった.ここから約10の試料を採取し,水洗後貝形虫殻を検討した.その結果,一部の試料から内湾に生息するBicornucythere bisanensisやSpinileberis quadriaculeataの殻が産出した.しかしながら,本来内湾泥底に生息するこれらのタクサが細粒から中粒砂から産出したことから,掘削時に振動により堆積物が乱れた可能性があると推察された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では2022年度に霞ヶ浦の湖内にて2本のコア試料を採取する予定であった.しかしながら,天候の悪化のため1本しか採取できなかった.また高知大学の機器を借用して堆積物の元素組成の測定を行う予定であったが,機器の故障により実施できなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度に掘削予定であった1本のコアは2023年度に掘削する.また,堆積物の元素組成の測定は,他の研究機関にも借用可能な機器がないため,高知大学の機器が直り次第,分析を行う.
|