2022 Fiscal Year Annual Research Report
The geo-anthrosphere from a perspective of dust: broad-area estimation of dead vegetation amount to improve the accuracy of numerical dust model
Project/Area Number |
22H01310
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒崎 泰典 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (40420202)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 正秀 香川大学, 創造工学部, 教授 (50324992)
関山 剛 気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (90354498)
大黒 俊哉 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70354024)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 枯れ草 / ダスト / 黄砂 / 砂塵嵐 / 風食 / 砂漠化 / ゴビ砂漠 / 草原生態系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)ゴビ砂漠における枯れ草量測定を行い、(2)この測定データを用いたSoil Tillage Index (STI, 土壌耕起指数)による枯れ草量推定法を確立することで、(3)「枯れ草仮説」の定量的検証と(4)ダスト発生モデルの精度向上を実現することである。 モンゴル気象水文環境情報研究所(IRIMHE)の共同研究者の協力で、現地気象台職員等による植生調査を行った。調査内容はSTIの元データとなるMODISプロダクトのピクセル領域を参考にして、1m×1mコドラートの写真撮影、地上部バイオマス測定を毎月行った。現在、この写真データの画像解析を進めており、この解析から枯れ草被覆率を見積もる。 枯れ草のダスト発生への影響には、枯れ草が土壌を覆う効果(被覆効果)と粗度物質として乱流に影響する効果(粗度効果)の2つが存在する。被覆効果は枯れ草被覆率で評価可能である。粗度効果の評価には粗度長を見積もる必要があるが、測器不足および新型コロナウイルスの影響で実施できていない。このため、今年度は不足する測器をモンゴルに輸送した。枯れ草効果の検証は、夏季の緑色の植生(光合成をする植生)と翌年春の枯れ草の比較及び粗度効果の観測結果を組み合わせで実施する。 予備調査データで得られた結果(Wu et al. 2021)を利用して、MODIS STIから広域枯れ草被覆率マップを試作したが、衛星データの異常値、無効ピクセルを処理するアルゴリズムが完成していないため、数値モデルへの応用には至っていない。しかし、気象台観測の風速、現在天気データとSTIを用いた解析から、3月は枯れ草効果だけではモデル精度は向上しないが、4月は枯れ草効果の導入のみで精度向上することを示唆する結果が得られた(Wu et al. 2023)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、(1)ゴビ砂漠における枯れ草量測定を行い、(2)この測定データを用いたSoil Tillage Index (STI, 土壌耕起指数)による枯れ草量推定法を確立することで、(3)「枯れ草仮説」の定量的検証と(4)ダスト発生モデルの精度向上を実現することである。 当初予定のとおり、IRIMHEの共同研究者の協力で4~5月は観測(新型コロナウイルスの影響のため例年より小規模観測)、3月は翌年度の観測に向けた観測環境の確認、測定インターバルの変更、測定機材の電池交換といった準備を実施した。また、現地気象台職員等による植生調査も実施し、得られた写真データの画像解析を進めている。このように、目的(1)(2)は実現に向かって進捗している。 枯れ草は被覆効果と粗度効果によってダスト発生に影響する。粗度効果解明に不足していた測器をモンゴルに輸送し、翌年度4~5月の観測の準備を整えた。上記の画像解析と粗度効果等の解明を目的とした飛砂、気象観測を実施することで目的(3)(4)を実現していく。 予備調査データで得られた結果(Wu et al. 2021)を利用して、MODIS STIから広域枯れ草被覆率マップを試作したが、衛星データの異常値、無効ピクセルが大量に存在することが原因で数値モデルに応用できないという課題が発生したが、気象台観測の風速、現在天気データとSTIを用いた解析から、3月は枯れ草効果だけではモデル精度は向上しないが、4月は枯れ草効果の導入のみで精度向上することを示唆する結果が得られた(Wu et al. 2023)。
|
Strategy for Future Research Activity |
ダスト発生の季節(4~5月)及びNDVIが年最大値になる(植物が最も繁茂した状態と期待できる)8~9月に現地調査を実施する。植生調査と今年度輸送した測器による飛砂、気象観測を実施し、これらのデータを用いることで、Soil Tillage Index (STI, 土壌耕起指数)による枯れ草量推定法を確立及び「枯れ草仮説」の定量的検証のための解析を進める。 今年度実施したMODIS STIから広域枯れ草被覆率マップの試作から、衛星データの異常値、無効ピクセルが大量に存在するという課題が明らかになったが、解決法を検討する。
|
-
-
-
-
-
-
-
[Book] Impacts of Aeolian Desertification and Dust Storms on Ecosystems, Economic Development, and Human Health. In: Wang, T., Tsunekawa, A., Xue, X., Kurosaki, Y. (eds) Combating Aeolian Desertification in Northeast Asia2022
Author(s)
Kurosaki, Y., Kinugasa, T., Nyamtseren, M., Liu, S., Otani, S.
Total Pages
30
Publisher
Springer
ISBN
978-981-16-9028-0