2022 Fiscal Year Annual Research Report
El Nino in the Medieval Climate Anomaly and Human spread to remote Oceania
Project/Area Number |
22H01313
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山崎 敦子 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (40723820)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 剛 北海道大学, 理学研究院, 講師 (80396283)
後藤 明 南山大学, 人文学部, 教授 (40205589)
石村 智 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 部長 (60435906)
駒越 太郎 特定非営利活動法人喜界島サンゴ礁科学研究所, 研究部門, 研究員 (90868407)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | サンゴ骨格 / エルニーニョ / 中世気候異常期 / 人類移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年6月にプロジェクトの公開シンポジウムを名古屋大学で実施し、研究代表者及び分担者による発表と、名古屋大学の研究者や一般参加者も含めて、プロジェクトの問いに関する議論を行った。また、初年度はプロジェクトで行う窒素同位体比分析の分析手法の改良を行った。フレンチポリネシアでのフィールドワークのため、研究協力者との議論を進めていたが、コロナ禍のため、調査が半年以上遅延をした。その後、フレンチポリネシアで完新世の化石サンゴ礁の調査を実施し、サンゴ化石43試料を採取した。化石試料は持ち帰った後に、年代測定および一次解析を開始した。採取した43試料のうち、保存がよく、人類移動の時期における海水準を考慮して、分析を優先するサンプルを選定し、選定した試料はX線回折装置により微小量の方解石化の進行の有無と、走査型電子顕微鏡および薄片試料によるアラレ石の二次沈着結晶の有無を確認した。保存のよいサンゴ化石試料は放射性炭素年代測定により年代を決定し、その結果、本研究課題がターゲットとしている年代の試料を得ることができた。地球化学分析用に選定した試料を板状に成形し、軟X線画像を撮影し、密度バンド(年輪)を観察した。マイクロスケールで制御できるステージを付属したミリングマシンを利用して、年輪の成長方向に沿って骨格を切削し、粉末試料を採取した。採取した粉末試料の酸素同位体比およびストロンチウム/カルシウム比の分析を行った。一部の化石試料からはエルニーニョの影響によるシグナルが検出され、本研究で用いる試料が有用な古気候記録を保持していることを確認することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で初年度のフィールドワークが二年目に実施となったため、サンゴ骨格の分析・解析が全体的に遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の遂行に必要な試料を最低限得ることができたため、サンゴ骨格の地球化学分析を進める。また、研究集会をひらき、共同研究者間での成果の共有と、議論を進める。
|