2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22H01321
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福山 英一 京都大学, 工学研究科, 教授 (60360369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 蔵馬 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波防災研究部門, 契約研究員 (30897921)
山下 太 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波防災研究部門, 主任研究員 (90374165)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 岩石摩擦 / 破壊伝播 / 大型岩石実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
すべり面内の歪み変化を測定するために光ファイバーを用いたFBGセンサーの予備測定を行った。予備測定に際しては、測定結果が検証できるように、岩石試料側面に設置している歪ゲージのすぐそばが測定点となるようにFBGセンサーを設置した。測定結果は、歪ゲージのデータを非常によく再現していることが確認できた。そこで、光ファイバーをすべり面内に設置する方法の検討を行った。模擬岩石試料を用いてデータを取得したところ、溝幅1mm深さ2mmの底に光ファイバを設置することで、すべり面内の歪を精度良く測定できそうであることが模擬実験により確認できた。
Fukuyama et al (2018)は、以前、光ファイバーを用いずに岩石試料に横穴を堀り、角柱に歪ゲージを設置して横穴に挿入し、隙間をモルタルで充填してすべり面の歪測定を行った。このデータの再解析を行い、面内歪みを用いて、滑り面の摩擦パラメータの空間分布がどのようになるかを調べる目的で、データ解析を行なった。その結果、破壊開始位置から線形に増加していくようにすべり弱化距離を設定することにより、スティックスリップ発生時の面アイスベリデータは非常によく説明できることがわかった。また、推定されたすべり弱化距離は、総すべり量が大きくなるにつれ大きくなることもわかった。
岩石試料の変位場をより精度良く測定し、FBGによる測定を補完するために、小型で高精度のレーザ変位計による測定システムを構築した。同じベースに設置した2台のレーザ変位計により上下2つの岩石試料の変位を測定し、滑り量を正確に測定しようというものである。測定された変位量は近くに設置した高周波加速度計の2回積分値と良い一致を示した。加速度計は長時間の変異場のモニターには適さないが、本レーザ変異計システムは、変位場の計測に非常に有効であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FBGを用いた実験に関しては、当初研究通りに研究が進展している。
本年度は、さらに、FBGを用いた実験で得られるであろうデータを想定し、過去に得られた類似のデータを用いで、どこまで断層破壊や断層摩擦の空間分布の情報が得られるかの調査を行った。過去に得られたデータは非常にまばらな測定点のデータであったが、それでも、断層摩擦の空間分布に関する情報を抽出できた。FBGを使った測定により、すべり面上 で非常に稠密な測定ができれば、より詳細な解析が可能となることが予想され、摩擦パラメータの空間分布と2次元破壊伝播に関しての興味深い情報がえられることが期待される。
また、レーザ変位計を使った変位場測定システムの開発も行なった。これは、FBG測定がすべり面内で行われた際に、そのデータを試料端で測定された変位データで制約するためのものであり、こちらもうまくいっていることが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、FBGによるすべり面内歪の稠密分布の測定を行い、すべりり面内で生じている2次元破壊伝播の詳細の解析を行う予定である。また、そのデータを用い、すべり面における摩擦パラメータの空間不均質の推定と破壊伝播に関しても研究を進めていく予定である。
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