2022 Fiscal Year Annual Research Report
高速3次元X線顕微撮像法によるマグマ中の気泡形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22H01325
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
船守 展正 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (70306851)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | X線ビームスプリッター / フレネルゾーンプレート / マグマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ビームスプリッターによるステレオ撮像とフレネルゾーンプレートによる長作動距離・高分解能撮像を組み合わせることで高速3次元X線顕微鏡を開発し、マグマ中の気泡形成過程を観察・理解することを目的として開始された。初年度にあたる2022年度には、単結晶シリコンのブロックを加工してビームスプリッターを製作した。2方向から試料にX線を照射するためのステージ類も整備して、放射光実験施設フォトンファクトリーのBL-20Bにおいて試験実験を行った。ビームスプリッターの性能は設計した通りであることが確認され、2方向のそれぞれでX線吸収像を取得することができた。ステレオ撮像には2台のカメラが必要である。X線カメラを購入して、2台のカメラによる撮像を計画していたが、2022年度内に納品されないことが判明し、2023年度に繰り越して試験実験を行った。2022年度にも1台のカメラを2役として試験実験を行ったが、限られた放射光のビームタイムの中で、十分なデータを得ることはできなかった。2023年度に取得したデータを詳細に解析した結果、ビームスプリッターによる3次元観察は限られた条件下でのみ成立し、未知試料を対象とした場合には、計画していた精度が達成できないことが判明した。3年目となる2024年度からは、ビームスプリッターによる放射光2ビームを利用して、X線イメージングとX線回折など、2種類の測定を同時に実施するための開発研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
X線カメラの納期の遅れに加え、ステレオ撮像の限界が明らかになってきたことから目標を修正する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、ビームスプリッターによるステレオ撮像とフレネルゾーンプレートによる長作動距離・高分解能撮像を組み合わせることで高速3次元X線顕微鏡を開発し、マグマ中の気泡形成過程を観察・理解することを目的として開始された。しかし、ステレオ撮像の限界が明らかになってきたことから目標を修正し、ビームスプリッターによる放射光2ビームを利用して、X線イメージングとX線回折など、2種類の測定を同時に実施するための開発研究を進める。当初計画と比べて、3次元撮像には試料の回転が必要となるが、異なる手法による測定が可能になる。これにより、マグマの振る舞いについてのより深い理解を得る。
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