2022 Fiscal Year Annual Research Report
CN実現のための軽量マルチマテリアル輸送車体用高耐損傷性革新的異材接合技術の開発
Project/Area Number |
22H01363
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅田 淳 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (60162913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 敦弘 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40324800)
曙 紘之 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (50447215)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 疲労損傷機構 / 異材接合 / 微視的観察 / 疲労き裂発生 / 疲労寿命評価 / 疲労き裂進展 / 微視的3次元観察 / 劣化機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
マルチマテリアル接合技術として本年度は摩擦撹拌・接着併用継手を取り上げ,疲労試験を実施するとともにその損傷機構解明を行った. アルミニウム合金/CFRP摩擦撹拌継手について得られた結果は以下のとおりである.(1)接着剤を併用しない場合には疲労き裂は比較的早期にシートセパレーション先端から発生し,接合部界面もしくは界面近傍のCFRP層内を進展することがわかった.(2)接着剤をシートセパレーション部に適用することで,弱部となる箇所での疲労き裂発生寿命が延長されるため疲労強度上昇が可能となった.(3)疲労き裂進展特性についても界面部の接着層を進展することで,き裂進展抵抗の上昇が確認された. 展伸アルミニウム/ダイカストアルミニウム合金摩擦撹拌異材継手について得られた結果は以下のとおりである.(1)下側の部材が流動により巻き上げられ.両材の界面にフッキング部が生じ,このフッキング部先端近傍界面から疲労き裂発生が生じることが明らかとなった.(2)フッキング部先端で発生したき裂が板厚方向に進展し,その後母材を貫通することで疲労破壊が生じることが明らかとなった.(3)破壊モードには荷重レベル依存性が確認され,板厚貫通後,接合部の周囲をき裂が進展し,ボタン破壊を呈する場合と,母材荷重軸直角方向に進展する場合が観察された.(4)異材界面に接着接合を併用した場合には,摩擦撹拌継手と場合と同様に,き裂発生寿命を延長することで疲労強度上昇が図られることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記入したように,当初の計画どおり摩擦攪拌ならびに接着接合材の疲労損傷機構の同定のための基礎的実験を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年時実施した実験結果に基づき,さらなる疲労寿命延長のための,接合・接着条件について検討を行う.これまで用いてきた,Al/CFRP,展伸アルミニウム/ダイカストアルミニウム合金に加えてアルミラウム合金/合金鋼の摩擦撹拌継手疲労損傷機構を明らかにすることを目的とする.微視的連続3次元観察により,時系列の損傷発展を明確にし,それらが発現しにくい接合条件を探索する.また,現在の鋼/鋼構造の代替としての軽量材・金属の使用は同寸法では剛性低下を伴う場合があり,板厚依存性について検討する.
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Research Products
(7 results)