2023 Fiscal Year Annual Research Report
次世代CMPプロセスを拓くデジタルツイン基盤とサイバーフィジカルシステムの開発
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22H01381
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鈴木 教和 中央大学, 理工学部, 教授 (00359754)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CMP / デジタルツイン / サイバーフィジカルシステム / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
提案手法を実現するには,実現象を再現することのできる高精度なモデルと高速高精度な計算アルゴリズムを開発する必要がある.そこで.2023年度は以下の研究を実施した. 1.研磨効率の空間分布や動的変化を表現するモデルパラメータの同定技術の開発 2022年度までの成果に基づき,低自由度でパラメトリックに定式化した動的研磨効率分布モデルを提案し,CMP装置の運動を考慮した線形システムの定式化を行った.さらに,CMP装置の内部情報である装置の運動情報とトルク負荷情報を利用して,制約付き最小二乗法によりモデルパラメータを高速高精度同定する手法(BLS法)を開発した.さらに,フルランクを満たしつつウェハとリテーナの摩擦係数を分離して同定する研磨レシピを考案した.検証実験を通じて,各パラメータを適切に同定出来ることを確認した. 2.研磨プロセスの状態量(特に研磨量分布)の推定技術の開発 オブザーバによりリアルタイムで研磨量(分布)を推定する手法を検討した.まず,推定したい時刻の1ステップ前のデータから摩擦係数および研磨レートを推定する逐次法(SLS法)を考案した.次に,正規化したノイズモデルを考慮したカルマンフィルタに依る推定法(KF法)を考案した.検証実験を通じてそれぞれの手法を比較し,提案手法により精度よく研磨レートを推定できることを確認した.一方で,故意に加えた外乱に対して推定精度が低い場合があることも明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り,ブランケットウェハを対象としたCMPプロセスにおける材料除去モデルと,制約付き最小二乗法を用いて各パラメータを一括同定する手法(BLS法)を開発した.さらに,パラメータの同定と研磨状態の推定をリアルタイムで実現する,SLS法とKF法をそれぞれ考案した.ブランケットウェハを対象としたCMP実験を実施し,開発した各手法を用いることで,研磨パッドが劣化した状態で生じるセンタースロー現象などを精度よく推定し得ることを確認した.事前に想定していた通り,順調に各課題を解決できており,今後の課題も明確である.このため,予定通り研究を進展することで,今後の発展が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,実際のCMPプロセスを想定して微細パターン付きウェハの研磨モデルを追加することで,実用的なデジタルツイン技術を開発する.さらに,検証実験を通じたモデルの修正と同定・推定手法の改善を繰り返すことで,CMPプロセスの実用的なサイバーフィジカルシステムの基盤開発に取り組む.
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Research Products
(9 results)