2022 Fiscal Year Annual Research Report
Insect flight mechanisms in high flight attitude
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22H01397
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
青野 光 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (10623712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々村 拓 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60547967)
安藤 規泰 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (70436591)
安養寺 正之 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (70611680) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 羽ばたき運動 / 空気力学 / 高高度飛行 / 飛翔生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高高度飛行時の昆虫の揚力補償機構の現象理解に不可欠な翼の運動、翼面形状の変化、その流れ場を明らかにし、その揚力発生の原理を解明することである。2022年度は、研究実施計画に記載した3つの研究項目を実施した。代表者は研究分担者と定期的な連絡をとり、進捗状況の共有と実験結果の議論と解析を進めた。
具体的には、研究項目(1)高高度飛行模擬環境の構築と予備実験、研究項目(2)風洞での実験準備、研究項目(3)数値解析の準備を行った。項目(1)よりデシケーター内の空気を減圧し、本研究が対象とする飛行高度環境(10000m)の模擬に成功した。これによって高高度飛行模擬環境下でのロボットと飛翔生物を用いた実験することが可能となった。ベースとなる複数種類の羽ばたき飛行ロボットの設計製作を行い、大気圧下での羽ばたき運動中の翼の動きと空気力の同時計測を実施した。予備計測の結果ではあるが、計測された翼の動きと空気力の発生の関係が過去研究のものと同様なものであることを確認した。これの成果は本研究の同時計測技術の一定の信頼性を示すものである。さらに、(1)と(2)の研究項目の実験データの一部を日本ロボット学会主催の学術講演会にて本年度の成果として発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗状況の判断理由は、2022度の研究実施計画に記載した事項が概ね計画通りに進んだためである。具体的には、(1)高高度飛行模擬環境の構築と予備実験では高度10000mを模擬した減圧下においてロボットの胴体を固定した状態での空気力と運動の予備計測、(2)風洞での実験準備では東北大学所有の火星風洞での実験方法や予備実験、(3)数値解析の準備ではロボットの翼の計算格子の解像度や時間幅の確認を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は2022年度に準備を進めた3つの研究項目の本格的な実験と解析を実施する。研究項目(1) 減圧環境下でのロボットと昆虫の運動計測データを得ること、研究項目(2) 火星風洞を利用した実験を行い、翼に働く空気力や翼の弾性変形、翼面形状の時間変化データを得ること、研究項目(3) (1)と(2)で得たデータを基に数値解析を実施し、翼まわりの流れ場と翼面の圧力分布と空気力の発生の関係を明らかにする。
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