2023 Fiscal Year Annual Research Report
磁性液滴の多体制御理論構築によるマイクロ流体アクチュエータの開発
Project/Area Number |
22H01402
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 駿一 神戸大学, 工学研究科, 助教 (80824169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 大樹 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (40833794)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 磁性液滴 / 集団運動制御 / 微小流体デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性液滴とは超常磁性の性質を持つ液滴であり,外部磁場により磁化され磁場の方向に伸長する性質を持つ.磁場により非接触に形状を制御できる性質を活かし,近年はこの液滴を応用した様々な微小流体デバイスが開発されているが,これまでの研究では主に単一の磁性液滴の制御を対象としたものに留まっている.本研究の目的は磁性液滴の集団運動・自己組織化制御の理論体系構築,および豊かな集団運動を活かした新たな微小流体デバイスの提案である.目的を達成するため,本研究課題では一体・二体・多体と一つずつ問題をスケールアップすることによりボトムアップで理論体系・解析基盤の構築を目指す. 2023年度は,新たに開発した境界積分法に基づく磁気・流体連成計算コードを用いて,せん断流れ中の磁性液滴の分裂制御に関する研究を行った.本計算コードは,これまで使用していた格子ボルツマン法の計算コードと比較して5~10倍程度高速であり,大規模なパラメータ空間に対する計算が可能となった.これにより,せん断流れ中の磁性液滴に,せん断面に対して垂直方向に磁場を印加することで,液滴の変形量や分裂を制御可能であることを明らかにした.さらに,磁場を印加した際の変形量や分裂を予測する理論式を新たに導出し,数値計算結果と非常に良く一致することを示した.これらの成果は,混相流の世界最大の国際会議であるThe 11th International Conference on Multiphase Flowで発表し,さらに論文としてPhysics of Fluidsに掲載された[Kawabata et al, 2024].
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新たに開発した境界積分法の計算コードによって,当初予定していたよりも高速で大規模な計算が可能となったため.
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Strategy for Future Research Activity |
二体のマイクロロボット制御の開発,磁性液滴集団の運動制御に関する研究を進める.
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