2022 Fiscal Year Annual Research Report
Functional improvement of mixing promotion in fluid equipment by elucidating the universal statistical law of two-phase turbulence
Project/Area Number |
22H01403
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 宏充 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (60317336)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 理央 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (20760573)
湯井 悟志 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (70965102)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 量子乱流 / 数値流体力学 / 超流動ヘリウム / 2相乱流 / 混相流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、量子乱流・常流体乱流の2相乱流と通常の2相乱流は何がどう異なるのか、その際の普遍統計法則はどのようなものかを解明する。そこで、今年度の目的を、超流体が高密度かつ常流体が高レイノルズ数でも高速計算が可能なように、相互摩擦力を介して2相を双方向に結合する独自手法を更に発展させることとした。本目的を達成するために、量子渦による誘導速度をビオサバール則から直接計算する代わりに、高速多重極展開法(Fast Multipole Method:FMM)を適用し、量子渦密度が高い場合の計算を可能とした。 2相乱流を実現するために、周期境界条件をもつ一様等方性乱流中での検討を実施した。周期的な分布を持つ外力で常流体を駆動し、乱流を実現した。そのような乱流中に量子渦が存在すると相互摩擦力を介して、渦糸が引き伸ばされ、再結合を繰り返して、渦糸密度が増加していき、量子乱流へと遷移することを確認した。また、量子渦の分布は、常流体の渦管に巻き取られ、バンドル状になることが判明した。常流体のエネルギースペクトルは、コルモゴロフの-5/3乗則に従うが、実験において熱流束を切ったのちの減衰乱流において、量子乱流も-5/3乗を示す減衰となることが知られている。今回のバンドル状の量子渦分布は、常流体乱流との強い結びつきを示しており、量子乱流のエネルギースペクトルの-5/3乗側の原因として、強い証拠となる可能性が高く、実験結果を説明するうえで、大変重要かつ意義深い結果が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高密度の量子渦計算は、直接ビオサバール則から計算すると渦点数Nに対して、Nの二乗のオーダーで計算量が増加するが、FMMを利用することで一乗のオーダーの計算量となり、高密度の量子渦乱流計算が可能となったから。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、相互摩擦力のモデルとして、従来から用いられている実験結果に基づく係数を利用したモデルと最近提案された実験結果に依存しない理論的なモデルの違いについて検討を深める。また、対向流がある場合とない場合で、常流体乱流と量子乱流の統計則に違いが出るかを検討する。
|