2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of scaling law for wall-bounded turbulence based on dissipation rate measurement
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22H01404
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古市 紀之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (10334921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 義之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252255)
経田 僚昭 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50579729)
小野 満里絵 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (80883090)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 散逸率 / LDV / テイラーの凍結仮説 / 高レイノルズ数 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の当該課題の実績は主に2点となる。1点目が2つのLDVプローブを用いて、対向位置に設置し、空間の2点の計測を実施したことである。散逸率計測の前段階の実験として、テイラーの凍結仮説に関する検証を行った。その結果として、壁面近傍における移流速度はほぼ一定であり、対数領域中間部より外層にかけての移流速度は概ね平均速度と一致することを明らかにした。ただし、外層側の移流速度は平均速度より数%から10%程度の範囲において、大きくなる結果となった。また、高速流と低速流とで分離した状態により相関を計算した場合に、それぞれにおいて移流速度が異なることが明らかになった。このことはテイラーの凍結仮説に対する疑問を呈するものとなっている。特に低速流のみによりスペクトルを再構築するとVLSMと呼ばれる大規模構造を抽出することができており、壁乱流における対数領域の物理的構造に関する再考が必要な状況にある。スペクトルに関してはすでに学会等において発表しており、これらの結果は2023年度中には誌上投稿を行う予定である。なお、散逸計測にあたり、測定点を接近させることに関しては、反射等の影響が大きく十分にはできていない。 2点目が散逸率計測のためのCross-Line Multi-point LDVの構築である。現在、レーザーおよびファイバーユニットを設置することができており、開発については順調に進捗している状況にある。ファイバー径を0.2mm程度として設置しているために、高い空間分解能を期待することができるものと考えている。今後、実流試験を開始し、その問題点等を抽出していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度計画としては、散逸率計測のために2方向による計測およびCross-Line Multi-point LDVの開発に着手することとしていた。そのため、現状としてはほぼ順調に研究計画が進展している状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度においては2方向計測およびCross-Line Multi-point LDVを完成させ、実流試験を実施する計画を立てている。実流試験においては、円管の計測は難しいことから、チャネル流にまず適用することを検討している。これらのシステムの構築を進め、散逸率を直接計測することを当面の目標とする。
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