2022 Fiscal Year Annual Research Report
Nanomaterial manipulation by local control of electic-field at solid-liquid interface
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22H01419
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
元祐 昌廣 東京理科大学, 工学部機械工学科, 教授 (80434033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 賀康 東京理科大学, 工学部機械工学科, 助教 (00825060)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ナノ物質操作 / ナノ粒子 / プラズモニクス / イオン流 / マイクロ流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,金属ナノ構造体周りの局在プラズモン増強電場下でのナノ粒子輸送について詳細な検討を行った.直径200nm,間隔50nmの,光の波長より小さな金ナノ構造体を電子線描画により作製し,レーザ光を集光照射すると,粒子が点状,円環状に集積される形態が存在することが明らかになった.この集積パターンが変化する要因についてプラズモン解析のシミュレーションを用いて検討した結果,光放射圧の寄与が小さく,熱泳動支配あることが明らかになった.そして各種条件を変化させた実験とシミュレーションを実施した結果,Soret係数の温度依存性によって集積パターンが変化することがわかった. また,交流局在電場での物質輸送実験を行う実験系について,ファンクションジェネレータとバイポーラアンプを組み合わせることで数MV/mの電界強度を印加できる装置を開発した.ドライエッチングを用いて透明導電膜のパターンを設けたマイクロ流路を製作し,ポリスチレンナノ粒子を含んだ超純水を流して,先行的に実験を行った.交流周波数を変化させることでマイクロ流路中でナノ粒子が異なる場所に集積されることが確認された.1kHz付近では交流電気浸透流によって粒子が運搬されて電極ギャップから数十μmの位置に粒子が集積されるが,50kHz-150kHzの周波数域では,電極ギャップ内に粒子が集積され,このメカニズムは明らかになっていない.この新たに発見したナノ粒子集積現象について,次年度に解明に取り組む予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
プラズモン場におけるナノ物質操作について,シミュレーションと実験を効果的に組み合わせることで,これまで明確な説明が与えられていなかった集積パターンの変化について解明することができた. また,交流電場下での物質操作では,装置開発を早期に終えることができたため,予定よりも早期に実験を始めることができた.結果として周波数によって集積場所が変化するような領域を発見することができ,当初の計画よりも進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
プラズモン場について,現在作製した構造では光放射圧の影響が大きくないことがわかった.ナノ構造体の形状を最適化することで,電場増強効果をより巧みに利用し,集積効率を向上させることができると考えられるので,今後構造体パターンの最適化に取り組む.
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