2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of spatiotemporal dynamics in combustion oscillations by complex systems science and statistical learning approach
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22H01420
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
後藤田 浩 東京理科大学, 工学部機械工学科, 教授 (00434712)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 燃焼振動 / 複雑ネットワーク / 同期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では,十分に発達した燃焼振動を対象に,燃焼器内の圧力変動,速度変動と発熱率変動を計測し,以下の点が重要な研究成果として得られた.
(1)圧力変動と発熱率変動から構築した推移ネットワークの情報エントロピーは,両変動間の相互作用の程度を定量化する上で,重要な特徴量であることが明らかになった.(2)流速変動と発熱率変動から構築された空間ネットワークの強度分布と渦度場の比較を行うことで,せん断層領域での大規模な剥離渦による流速変動が発熱率変動の駆動に重要な役割を担うことが明らかになった.(3)音響エネルギー方程式の生成項と集団同期に基づいた熱音響ネットワークの強度とクラスター係数の時間変化の関係が明らかになった.(4)移動エントロピーに複雑ネットワークと同期理論の考え方を組み込んだspatial-network-based transfer entropy(SNTE)を提案し,SNTEは流速変動と発熱率変動の因果関係を明らかにすることが可能であることが示された.(5)位相空間内の軌道不安定性に基づく非線形予測法を導入することで,速度変動が発熱率変動に強く影響を与えることが示された.(6)Louvain法を用いて抽出された乱流ネットワークのコミュニティー構造にPZマップを適用することで,ネットワークのハブとコネクター位置の特定化,ならびに燃焼振動の駆動核の推定が可能であることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
燃焼振動の時空ダイナミクスの解明は順調に進んでおり,すでに次年度の研究内容の一部も実施した.その一方で,スペクトルグラフ理論とクラスタリング法を考慮に入れたコミュニティー抽出を検討していく必要がある.また,リミットサイクル振動への増幅過程におけるネットワークのノード中心性,媒介中心性と近接中心性も調べる必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で記載したように,スペクトルグラフ理論とクラスタリング法を考慮に入れたコミュニティー抽出を行う必要がある.そして,今年度に得られた燃焼振動の駆動核の推定についてより詳細に検討を加える.また,リミットサイクル振動への増幅過程におけるネットワークのノード中心性,媒介中心性と近接中心性を調べていく.
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