2022 Fiscal Year Annual Research Report
解剖・運動計測・ロボット再現の融合によるウマ脚部の写実的運動モデリング
Project/Area Number |
22H01429
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増田 容一 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70849760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 洸 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10827611)
郡司 芽久 東洋大学, 生命科学部, 助教 (80833839)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 四脚動物 / ウマ / 連動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では,各研究実施項目において下記のような成果を得た. 課題1)写実的運動モデルの構築:ウマの歩行運動を再現する写実的運動モデルの構築および洗練を行った.具体的には,サラブレッドの解剖および腱のサンプリングを行い,腱の非線形弾性を計測する手段を整えた.さらに,ウマの腱に備わる非線形弾性を再現するためのモジュールを開発した.さらに,解剖に基づくロボット研究を今後さらに普及することを目的として,解剖のノウハウをWebページおよび国内学会にて公開した.近年,ロボットを生物のモデルとして活用することで未知の生物メカニズムの解明を目指すRobotics-inspired Biologyの研究や, ウマ・ワニ・トリなど動物身体の解剖学的特徴を詳細に再現する学際的な研究が国内外で現れ始めており,今後数年でますます活性化することが予想される.報告者は,本ノウハウが当該分野における裾野の拡大に貢献することを期待している.
課題2) 開発した非線形弾性モジュールにモーションキャプチャマーカを取り付けることで,腱モジュールに蓄積される弾性エネルギを計測できる兆しを得た.実際のウマの運動と比較することで歩行運動における各腱の寄与が明らかになる可能性がある.さらに,写実的運動モデルを用いて,walk,trot,gallopなど複数のウマ様の運動を再現できることを示した.この結果は,提案モデルが幅広い運動周波数においてウマと同様の脚軌道を発現できることを示唆している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
写実的運動モデルの開発および計測はおおむね順調に進展している.さらに,幅広い周波数の運動でウマ様の運動を発現した点も大きな発展であった.
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Strategy for Future Research Activity |
国内の研究者との連携のなかで,ウマの組織サンプルを収集・計測することで,モデルの生物学的妥当性を担保していく.また,解剖学とロボット学を融合研究を行っている国内外の研究者を集めたorganized sessionを国際会議にて計画しており,研究発表・議論を通した分野融合の促進も図る.
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