2023 Fiscal Year Annual Research Report
再建中耳を対象としたトポロジー最適化法による伝音難聴治療の方針決定システムの構築
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22H01435
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
朝倉 巧 東京理科大学, 創域理工学部機械航空宇宙工学科, 准教授 (60778207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉科 佑太 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40801535)
栗原 渉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90826926)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 有限要素法 / 中耳再建 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝音難聴治療に対して行われる耳小骨再建術において,破壊された耳小骨連鎖を人工的に再建する術式が行われる.本検討では,従来の術者の経験による再建耳小骨形状の決定に替わり,現状の中耳の状態から最適な形状を形成可能な検索アルゴリズム,および探索された最適形状による聴力回復の可能性を検証する. 今年度は,これまで外乱ノイズ等の影響を大きく受けていた模型実験について,追検討を行うことによって,外乱等に影響を受けにくい模型実験プラットフォームを構築することができた.これを基にして,有限要素法および模型実験結果をCNNで学習することによって,最適形状の判別可能性について基礎的な検討を実施した.しかしながら,これを成功させるためには,多数種類の健常中耳をベースとした伝音特性を用いる必要があるが,まだ数種類の健常中耳のケースに留まっているため,次年度,CNN学習の精度を高められるケース数を数値解析および模型実験において増加させる. 次に,聴感評価システムの構築として,聴力推定結果から,日常生活で必要とされる音声情報の聞こえについて信号処理手法を用いた可聴化シミュレーションを実施するため,ケーススタディを実施したが,こちらについても,ケース数が少ない.従って,次年度多数の再建形状に関する可聴化を行い,相互比較により,医師による聴力比較の可能性について検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
有限要素法および模型実験によるCNN結果を用いた聴力予測および可聴化について,まだ十分な結論が得られていない状況である.従って,その後に控えている,患者に関する各スコアを入力し,初期条件および最適化後の各形状データ,聴力情報などをグローバル分類器として学習させるための検討についてまだ進捗できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
有限要素法および模型実験結果をCNNで学習することによって,最適形状の判別可能性について,多数種類の健常中耳をベースとした伝音特性のケース数を数値解析および模型実験において増加させ,CNN分類器の精度向上を行う. 次に,聴感評価システムの構築として,聴力推定結果から,日常生活で必要とされる音声情報の聞こえについて信号処理手法を用いた可聴化シミュレーションを引き続き実施するが,可聴化する再建形状のケース数を増加させ,相互比較により,医師による聴力比較の可能性について検証する. さらに,患者に関する各スコアを入力し,初期条件および最適化後の各形状データ,聴力情報などをグローバル分類器として学習させるための検討について着手し,治療システムの構築を目指して検討を進める.
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