2023 Fiscal Year Annual Research Report
非接触アクティブストロボイメージャが作る物体表面波に潜む機械インピーダンスの正体
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22H01448
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 研介 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50294533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 真 名城大学, 理工学部, 教授 (70224607)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アクティブセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
生体,医療,美容整形では,硬さ,柔らかさ,粘性といった機械インピーダンスが診断を行う上で重要な評価指標になる.特に,当該年度は機械インピーダンスを与えて表面から非接触アクティブストロボイメージャと等価な力印加を与えて表面波パターンを出力するシミュレータを開発し,順問題,逆問題を解いて,実験結果と同一条件に入力を与えて表面波の振る舞いの一致度を評価しながら,最適機械インピーダンスモデルの構築を行った.
アクチュエータとストロボ発光を搭載したアクティブストロボイメージャ(ASI)は、人間の目では追従できない高周波振動する対象物を可視化する便利なツールとして知られている。本年度は,力センサと視覚センサの両方を実装することで、力と変位の間の関係を計測し,また,表面の剛性モデルの定式化を行った.さらに,この定式化に基づいて,バネ定数から力と変位を導出する順問題と,力と変位からバネ定数を求める逆問題を定式化し,それぞれの検証を行った.その結果,共に高精度に行うことが可能であることが確認された.
さらに,距離計測と噴流の位置を同軸にして行う手法を開発した.これを使わないと,距離計測を少し斜めから行う必要があり,正確な距離計測が困難であったのに対して,本システムを使うことでより正確な距離計測を行うことが可能になった.これに基づいて,複数の硬さを持つ表面に対して,剛性の計測を行った結果,正確な計測が行えることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
非接触アクティブセンシングの原理に基づいて非接触周期的空気噴流を生体や環境に当てると,対象物の機械インピーダンスを反映した表面波が発生する.周期的空気噴流が環境に印加する力と対象物の表面形状のうち印加力は校正しておくことができ,表面波の形状はUSBカメラやレーザ変位計で時間の関数として計測可能である.生体や環境の内部機械インピーダンスパラメータは未知であるが,機械インピーダンスユニットを用いて内部モデルを表現すれば,入出力関係から逆問題を解くことにより,内部機械インピーダンスを同定することが出来る.逆問題が解ければ,内部機械インピーダンスが既知の状態で印加力を変えて順問題を解けば表面波の動きを得ることができ,実験結果と合わない場合には内部機械インピーダンスのモデル自体を変えて実験とシミュレータ上のモデルの振る舞いがよく一致する最適インピーダンスモデルが構築できる.
今後は,このインピーダンスモデルの改良を行う.さらに,生鮮食料品,生体・医療分野それぞれに対して,最終的に表面波と内部機械インピーダンスの数値データの相関をとり,数値データの妥当性を確認する.
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Research Products
(1 results)