2022 Fiscal Year Annual Research Report
A rehabilitation system for increasing sense of self-agency using a pupilary vibration interface
Project/Area Number |
22H01451
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中谷 真太朗 鳥取大学, 工学研究科, 講師 (10781700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 望 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (10453151)
西田 信一郎 鳥取大学, 工学研究科, 特任教授 (50358529)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ニューロリハビリテーション / 対光反射 / 瞳インタフェース / 直列弾性機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
A.左右の瞳を独立に刺激する,瞳孔インタフェースの新方式を提案した 異なる周期で点滅する光に着目した際に生じる対光反射の違いを見分ける意思伝達システムにおいて,左右の目に投影する刺激を異なるものとすることで一度に提示可能な刺激パターンを増加させる新方式を提案した.異なる周期の信号を混合した信号を光刺激として瞳に入射すると,瞳孔の応答には元の信号に含まれない周波数(ビート周波数)の信号が含まれる.一方で,左右の瞳にそれぞれ別の周期の光を入射した場合には,ビート周波数の発生を抑えることができる.そこで,ビート周波数を抑えつつ異なる周期の信号を混合できる手法として,左右の瞳の同じ位置に異なる周波数の信号を提示する方式を提案した.この手法は市販のVRゴーグルに搭載されている瞳孔径計測機能を利用可能であり,対象者が注目している対象を非接触で検出できる簡易なブレイン―マシンインタフェース(BMI)としての応用も期待される.
B.運動アシストを目的としたロボットを設計した 本研究での利用を想定している運動アシストロボットの設計・製作を進めた.リハビリテーションに使用するロボットには,人間の能動的な運動に対する追従性(バックドライバビリティ)が求められる.ところが低速高トルクを実現するためにギア比を高めると,バックドライバビリティが低下してしまう問題がある.そこで,ギアヘッドと駆動軸の間にねじり弾性要素を追加した直列弾性アクチュエータ(SEA:Series Elastic Actuator)構造を設計に組み込み,ねじれ角度から駆動軸に加わっているトルクを直接計測し,このトルクに応じてインピーダンス制御を実現することで高いバックドライバビリティを持たせる設計とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目的は,運動リハビリテーション時の運動主体感の向上を促すようなシステムの開発である.本年度は,①瞳インタフェースにおいて左右の目に異なる刺激を行うアイデアの有効性の確認,②異なる明るさを入光した場合の瞳孔応答についての数理モデリング,③CGの腕に対して”ありそうな動き”を取らせるためのダイナミクスの検討,④直列弾性アクチュエータを利用した外骨格型ロボットの形状設計について予定していた.
本年度は,点滅するパターンを注視している状態を瞳孔径の変化から読み取るためのインタフェース開発を進めた.①左右の目に異なる刺激を行うアイデアについては当初の予定通り実験を遂行し,成果をまとめることができた.②異なる明るさを入射した場合の瞳孔応答については,従来のモデルでは説明できない実験結果も観測された.この結果もとに従来のものからモデルの拡張を検討するなどの進展が見られた.③CGの腕の表示とその動作については,実際の肘関節の屈伸運動時の動きを計測し,リアルタイムにCGの腕の動きに反映させるシステムを構築し,順調に進捗している.④のロボットの開発については,当初の予定よりアクチュエータ等の部品の入手等に時間を要したものの,設計を終えることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,瞳孔インタフェースに関しては,以下の3点について実施する.(1)光刺激を2値信号として考え,周波数ではなく時系列信号のパターンマッチングにより分類する手法の開発.(2)左右の瞳に異なる明るさの光を提示した際の瞳孔径変化モデルの構築.(3)任意のタイミングで注視対象を切り替えた際,正確で素早い検出を行う手法の研究.(4)運動関連の瞳孔径変化の検出. 加えて,VRゴーグルを用いて運動時の視覚フィードバック情報を変更した際の人間の応答について調べる.具体的には,運動時の体にCGモデルを重ねた実験系を製作し,自らの想定と視覚フィードバックの間にずれが生じた状況を自由に作ることができる環境を構築する. また,設計した外骨格型ロボットに関してはインピーダンス制御の実装と人間を対象とした実験に利用するための開発を進める.
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Research Products
(4 results)