2022 Fiscal Year Annual Research Report
Interaction Model between Trainer and Trainee for Skill Transfer System
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22H01455
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
五十嵐 洋 東京電機大学, 工学部, 教授 (20408652)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人間機械系 / 技能伝承 / 人間モデル / 相互作用 / 教示者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,教示者を支援できる技能伝承システムの実現を目指している.このようなシステムを実現するためには,教示者と学習者の相互作用を考慮した人間モデルの設計が鍵となる.また,技能伝承システムを実現するためのバイラテラル制御を用いた協調作業インタフェースが求められる.本年度は主に人間モデルの検討と作業インタフェース開発に注力した. 相互作用を考慮した人間モデルについて,ニューラルネットワークを用いて相手の操作(外部入力)の影響に伴う変化を考察した.いくつかの実験を通して,この外部入力に対する応答は,個人差が大きく,さらに熟達とともにその応答特性が変化することが明らかとなった.そこで,外部入力も含むモデル化する新しいニューラルネットワークの構成を検討し,基礎検証を行っている.さらに,事前にモデル化した操作モデルと,現在の操作入力とを比較することで,操作支援への依存性,主体感の推定について実験検証を行い,人間モデルを基準とする相互作用の定量評価の可能性を示唆した. 操作インターフェースは主に,リニアアクチュエータを用いた水平2自由度インタフェースと,ワイヤ駆動形インタフェースの開発を行った.水平2自由度インタフェースは,モデル追従制御により,任意のインピーダンスでの駆動を可能とした.ここで,反力推定オブザーバを採用することで,力センサを用いないシステムを実現した.また,ワイヤ駆動インタフェースは,従来のシステムにリニアアクチュエータを追加することで可動範囲を拡張することに成功した.さらに,操作性について統計的な評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニューラルネットワークを用いた人間モデルは,その入出力関係,遅れ要素などのハイパーパラメータの影響を検討する必要がある.妥当な変数はタスクに応じて異なるべきであると予想していたが,実験を通してそれぞれ設定が必要である.さらに個人差の影響に加え,熟達による人間自身の変化を考慮する必要があることが明らかとなった.そこで,これまでの事前に学習したノミナルモデルに加え,リアルタイム学習を行う新しいモデルの導入を検討している. 本年度は,事前に学習した人間モデルによる予測入力量と実際の操作入力量の差に着目した依存,主体感の評価を実験的に検証するとともに,リアルタイム学習による人間変化適応型のモデルの有効性について考察をした. 操作インターフェースについては,単独での2自由度水平リニアインタフェースを構築し,力センサレスの可変インピーダンス制御を実装した.これにより,操作中に任意のダイナミクスを提示できるようになった.これは,今後の教示者支援へのフィードバックとして利用可能である. またワイヤ駆動インタフェースは,従前の課題であった可動範囲が狭いという問題に対してリニアアクチュエーションを加えることで改善し,さらにその操作性を高める制御系を確立した.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,人間モデルについては,他者からの外部入力を陽にモデル化できる新しいリアルタイム学習器を構築する.ここで,操作者の違和感(サプライズ)を最小化するという脳科学知見を導入し,認知と行動をそれぞれモデル化する新しい人間モデルを目指す.さらに,これまでに事前モデルで確立した依存,主体感の評価指標を活用して,その妥当性,教示者支援のための相互作用定量化を行う. 操作インターフェースについては,現在の2自由度リニアインタフェースをもう一台開発し,相互のバイラテラル制御を実装する.さらに,コアとなる人間モデルを確立するため,1自由度のバイラテラルインタフェースを利用して,教示の妥当性を評価する.ワイヤ駆動インタフェースについては,引き続き操作性,VRアプリケーションの実装を行い,協調タスク環境を実現する.
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