2022 Fiscal Year Annual Research Report
AIを活用した小型電子機器の近傍界無線給電技術の開発
Project/Area Number |
22H01459
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
黒川 敦 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (80610592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金本 俊幾 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (30782750)
蜂屋 孝太郎 帝京平成大学, 人文社会学部, 教授 (40540381)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 無線給電 / 小型電子機器 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
電子情報通信技術の発展とともに、モバイルやウェアラブルデバイスなどの小型電子機器を一人で何台も所有する時代になってきた。しかし、電力を供給するために機器毎に専用の有線ケーブルやアダプターもしくは無線充電器が必要なため、非常に不便である。そこで、本研究では、数多くの小型電子機器を最小限の送電機で充電できる近傍界無線給電を用いた送受電機を開発する。 本年度の研究実績の概要は以下の通りである。(1)1つの送電機で様々なコイルサイズからなる各受電機を大幅な伝送効率低下無しで充電可能なSISO(Single-Input Single-Output)の磁界結合型無線給電用送電機を開発(中心を密にして、外周に向けて間隔を荒くする対数螺旋構造にすることで小さいコイルの伝送効率を向上されている)、(2)1つのやや大きいサイズの送電機で複数の様々な受電機を同時に均等に充電可能なSIMO(Single-Input Multi-Output)の磁界結合型無線給電用送電機を開発(外周を密にして、中心に向かうに従い間隔が荒くなる放物螺旋構造とすることで磁界分布を平坦にし、複数充電や位置ずれに強くしている)、(3)5V電源のモバイル充電でも電流制御をうまく行わなければ、送受電間に金属の異物があると300℃以上の発熱が生じる可能性があることをシミュレーションで明確にし、(4)AIを用いて無線給電用のフェライト付きのスパイラルコイルのインダクタンスを構造パラメータから高速に算出する方法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況は以下の通りである。 (1)SISOの送電機はスマートフォンやウェアラブルデバイスのようにコイルのサイズ等が異なる受電機でも、1つの送電機で効率劣化なく充電できる構造を解析により求めた。受電機のコイルサイズが小さい場合、送電機の中心が密な方が充電効率が良く、様々なサイズに対応するのは外周から中心に行くに従い密になる対数螺旋構造が受電機として適していることを見出した。研究成果は学術論文誌で公表した。 (2)SIMOの送電機は1つの送電機で複数のデバイスを同時に効率よく充電できる構造を探求した。受電機上の磁束をほぼ一定にするのは従来法の均等間隔のコイルではなく、中心から外周に行くに従い密になる放物螺旋構造であることを解析により求めた。研究成果は国際会議と学術論文誌で公表した。 (3)モバイルの無線給電において、送受電機間に異物があった時に非常に高温になることを解析により求め、研究成果は国際会議で公表した。 (4)AIの一種であるディープニューラルネットワークを用いて、無線給電に用いるコイルのインダクタンスを構想に求める方法を開発した。成果は国際会議と学術論文誌で公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として以下を計画している。 (1)磁界結合型無線給電におけるSS方式補償回路のAIを用いたコンデンサの調整 (2)複数受電機を同時充電可能なシングルコイル送電機の磁束密度均一化のために、等間隔コイルと極座標を用いたらせん構造を複合した構造をAIを用いて最適化 (3)平坦スパイラルコイルを用いた無線給電における最適な内径比の解明 これらはAIを駆使して技術開発に取り組むとともに、シミュレーションだけでなく試作・評価により実証する計画である。
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