2023 Fiscal Year Annual Research Report
AIを活用した小型電子機器の近傍界無線給電技術の開発
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22H01459
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
黒川 敦 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (80610592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金本 俊幾 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (30782750)
蜂屋 孝太郎 帝京平成大学, 人文社会学部, 教授 (40540381)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 無線給電 / 小型電子機器 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はAIを用いて小型電子機器の無線給電に関する技術を開発することである。本年度は磁界共振結合型無線給電のおける共振周波数の調整方法、複数同時充電可能なシングル送電機、送受電用に使用するスパイラルコイルの最適な内径比の研究を実施した。 本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)磁界結合型無線給電では送受電側の共振周波数を一致させることが電力伝送効率を最大にする上で重要であるが、その共振を決める補償回路のコンデンサ値をAIを用いて算出する方法を開発した。共振周波数と送受電機の距離を入力すると最適なコンデンサとその時の伝送効率と出力電力が出力する。この方法は設計段階で瞬時に必要なコンデンサがわかるだけでなく、使用中も位置により最適なコンデンサを算出できる特徴がある。 (2)送電機は位置ずれに強く、さらに複数の電子機器を充電できるのが理想である。本件研究では複数同時充電可能なシングル送電機を開発した。これは昨年度開発した放物螺旋構造よりもより均一な磁束となる方法で、外周近傍は均等間隔にして、中心に向かうに従い荒くなる構造を極座標で表現し、AIを用いて、最低磁束を維持し、磁束がより均一となる構造をAIで求める。 (3)コイル設計の段階で内径はどの程度にするかを決める必要がある。AIを用いて送受電コイルの最適な内径比を求める技術を開発した。電力伝送効率、出力電力、結合係数、品質係数、負荷抵抗、位置ずれ、温度分布等の様々な特性を解析し、有効な内径比を求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況は以下である。 (1)磁界結合型無線給電における電力伝送効率を最大にする補償回路用コンデンサ値を深層学習により求める技術を開発する。フェライトを含む送受電機の構造パラメータや入出力電圧・電流・電力、効率、周波数等を電磁界解析や電磁波解析により求め、深層学習を用いて学習させ、最大効率となるパラメータを求めるプログラムを作成した。成果は英文学術論文誌で公表した。 (2)シングルコイルの送電機において、複数の受電機を同時に効率的に充電できるコイルの巻き方をニューラルネットワークを用いて求める技術を開発した。外周近傍を均一に、中心側を荒く巻くのを極座標で表し、それらを組み合わせたコイル構造を最適にするプログラムを作成し、シミュレーションで有効性を明らかにした。研究成果は国際会議で公表した。 (3)無線給電用平坦スパイラルコイルの最適な内径比を様々な観点から解析した。モバイルに用いる外径や1層のコイルでは、外径に対する内径の比率は0.3~0.5が最適であることを解析により明らかにした。成果は国際会議で公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として以下を計画している。 (1)複数受電機を同時充電可能なシングルコイル送電機としてAIを用いて磁束密度均一化したコイルの試作と評価 (2)位置認識用コイルセンサーのサイズと配置をAIを用いて最適化 (3)電界結合型の様々なカプラ構造の最適化 (4)その他として、位置ずれを考慮した無線給電用の送受電コイルサイズの解明、AIを用いた平坦スパイラルコイルの内径比の最適化
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