2023 Fiscal Year Annual Research Report
Electric double-layer produced on porous carbons, charged with extremely high energy density
Project/Area Number |
22H01460
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
熊谷 誠治 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (00363739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 大輔 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10531452)
安部 勇輔 秋田大学, 電動化システム共同研究センター, 特任助教 (60908953)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 電気二重層 / 蓄電 / 多孔質炭素 / イオン液体 / エネルギー密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
100 Wh/kgを超える超高エネルギー密度の電気二重層の形成解放機構と電気化学特性の解明を目指した。その解明のために,セルの静電容量および抵抗源を詳細に再現した等価回路を用いた回路シミュレーションとインピーダンス分析を組み合わせた電気化学インピーダンス分光手法を採用した。その手法は,電気二重層キャパシタセルに直流バイアス電圧を印加しつつ,振幅5 mV,周波数0.01~100 kHzの交流電圧を重畳し,各周波数におけるインピーダンス実部と虚部の関係を得るものである。それにより,電気二重層の内層および拡散層の静電容量および抵抗,拡散層とバルク層の界面抵抗など,要素特定解析が可能となった。動作温度が25℃の場合において,セル電圧2.5 Vおよび4.0 Vの充電状態,すなわち40 Wh/kgの中エネルギー密度状態と130 Wh/kgの高エネルギー密度状態の電気二重層を作り出し,それに対してインピーダンス分光分析を適用した。その結果,高エネルギー密度状態では,活性炭とイオン液体の界面に形成される内層における抵抗と,イオン液体における拡散層とバルク層の間の界面における抵抗が増加すること,さらに,拡散層での拡散抵抗は減少すること,すなわち電気二重層が解放されやすい状態になることが分かった。このように,イオン液体中のカチオンとアニオンが極めて高密度に分極している状態での電気化学的な性状評価が可能となった。今後,周囲温度や活性炭電極の細孔構造が異なる場合など種々の条件下での超高エネルギー密度蓄電状態の電気二重層の性状を評価していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
100 Wh/kg以上のエネルギー密度を実現できる条件で,セルの静電容量および抵抗源を詳細に再現した等価回路を用いた回路シミュレーションとインピーダンス分析を組み合わせた電気化学インピーダンス分光手法によって,超高エネルギー密度蓄電状態の電気二重層の形成および解放機構の解明を行った。具体的には,内部抵抗の発生起源とその抵抗値など,これまで未知であった特性値を提示することができた。得られた数値をもとに,超高エネルギー密度蓄電状態の電気二重層の性状を把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りに研究を進行する。100 Wh/kgを超える高エネルギー密度の電気二重層を形成する手法を確立し,その状態における電気二重層の電気化学特性評価も可能になった。それゆえ,電気二重層のエネルギー密度およびその電気化学特性の及ぼす諸因子の影響の解明を行う。特に,セル電圧,動作温度,活性炭の種類,活性炭電極に使用する導電助剤,イオン液体の種類の影響を注目する。電気二重層が実現可能な最大のエネルギー密度を見出し,詳細な電気化学インピーダンス分光分析を実行することで,最終的に多孔質炭素上に形成される超高エネルギー密度蓄電状態の電気二重層の性状を明らかにする。
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