2022 Fiscal Year Annual Research Report
Non-invasive electric field sensing by second harmonic generation with self-polarization control
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22H01462
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊田 亜紀子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20313009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正寛 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40805769)
藤井 隆 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (60371283)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 電界 / 高電界現象 / 短パルスレーザ / 非線形光学現象 / E-FIG |
Outline of Annual Research Achievements |
E-FISHGを用いた電界計測に関して、校正法・経路にそった電界分布復元法を開発した。また、高強度フェムト秒レーザの非線形光学効果 の解明に向けた実験を行った。 電極系に対してレーザ集光位置を相対的に動かした時のSHの強度分布を取得し、レーザ進行方向に仮想電荷を配置して逆計算を行うことにより光路上の電界分布を求める手法を考案した。本手法により、峻度の異なる電界分布や、複数のピークを持つ電界分布など、複雑な電界分布への適用可能性、逆解析も含めた系全体の測定精度、空間分解能を明確化した。 また、発生するSHの偏光状態も観測することで、光路上の電界ベクトル分布の測定にも成功した。 E-FISHGにおいては、SHの発生強度は、入射するレーザ強度の2乗に比例するため、光源としては、高強度のフェムト秒レーザを用いることが有効である。しかしながら、高強度のフェムト秒レーザは非線形効果が強いため、大気中で伝搬させると光カー効果による自己収束、それに伴うプラズマ発生や収束したまま発散せずに伝搬するフィラメンテーションなど、様々な複雑な非線形現象が生じる。フェムト秒レーザを用いて、測定を行ったところ、プラズマ発生下やフィラメンテーション発生下には、印加電界の二乗に比例してSHが発生はするものの、その偏光状態は乱れてしまうことがわかった。さらに、フィラメンテーションが生じている条件下におけるSHの発生様相も測定したところ、フィラメンテーション発生個所においては、上記の偏光が旋光していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロトタイプとなる三次元電界ベクトル測定法は、ほぼ確立しつつある。 放電プラズマとの相互作用についても、フェムト秒レーザを用いる場合、二次高調波には 繰り返しレーザを入射するため、繰り返し周波数と、それによる初期電子供給確率に関する有益な知見を得た。おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
高強度フェムト用レーザの非線形光学効果(偏光の回転、後方散乱)の解明とその特性把握を行う。具体的にはレーザとしては大出力fsレーザやnsを用い、DC-SHG信号出力の特性(通常の伝搬方向に重畳するDC-SHGと、後方散乱光に重畳するDC-SHG)を系統的に測定する。本測定手法のアプリケーションを見極めることを念頭に、放電プラズマとの相互作用、遠隔電界測定を見越した後方散乱光の大きさは、重点的に測定する予定である。
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