2022 Fiscal Year Annual Research Report
Energy harvesting system using ultra-low voltage electronics for low power wide area distributed energy resources
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22H01465
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 章夫 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (10214785)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エナジーハーベスティング / AC-DCコンバータ / DC-DCコンバータ / 振動発電 / 自然電気化学電池 / 理想整流回路 / バッテリーレス / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、微小環境エネルギーを利用するため、0.1V以下の交流電圧または直流電圧から動作し、昇圧および安定化するための電源回路の方式を提案し、環境発電デバイスを用いた実験により動作を実証する。また、提案した回路のエネルギー変換効率を最大化する条件を、理論、シミュレーション、実験を通して明らかにする。また、提案した回路を用いて、フィールドに分散した環境発電デバイスのネットワークから損失無く電気エネルギーを集める方法を提案し、環境発電デバイスの数とエネルギー変換効率の関係を、理論、シミュレーション、実験を通して明らかにし、環境発電技術のIoT応用に貢献する。 2022年度の研究では、1マイクロアンペア以下のリーク電流と10mVの立ち上がり電圧を達成するように、理想整流回路の回路パラメータを最適化した。設計した回路は、65nm SOTB(Silicon-on-Thin-BOX)プロセスを利用して試作を行い、正常動作を確認した。この理想整流回路を用いて、コッククロフト-ウォルトン型の昇圧整流回路を構成し、市販のDC-DCコンバータが動作する電圧まで昇圧することを可能にした。また、理想整流回路を用いた同期式磁束コンバータの試作も行った。これらの回路の性能評価を行った結果、コッククロフト-ウォルトン型の昇圧整流回路のAC-DC変換効率が非常に高いことが分かったため、今後の研究では、高効率機械振動-電気振動変換デバイスである、磁歪式発電デバイスと今回開発したコッククロフト-ウォルトン型の昇圧整流回路を組み合わせてエナジーハーベスティングの実験をおこなうことにした。さらに、低電圧直流電源を利用するための超低電圧発振器を内蔵した理想整流回路をスイッチとしたDC-DCコンバータを試作した。このDC-DCコンバータについても動作が確認されたが、エネルギー変換効率が十分ではないため、さらなる回路の改良を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、2022年度にカスケードチャージポンプ(コッククロフト-ウォルトン型昇圧整流回路など)、同期式磁束コンバータ、超低電圧発振器内蔵ブーストDC-DCコンバータの試作までを計画していたが、試作回路が問題なく動作したため、評価ボードの製造、評価装置の制御プログラムの作成および評価までを実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に理想整流回路を用いた高効率AC-DCコンバータ集積回路の試作と評価を完了したため、2023年度に、AC-DCコンバータと超低電圧発振器内蔵ブーストDC-DCコンバータのさらなる高効率化を行うための試作を行う。また、広域分散型エナジーハーベスティングのための制御回路の試作に着手する。
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