2022 Fiscal Year Annual Research Report
Design and Operation of Safe and Secure IoT Devices Through EMC Designing and Security Monitoring
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22H01472
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
豊田 啓孝 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20311798)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | モード変換 / EMC設計 / セキュア監視 / ノイズ発生メカニズム / 電磁波セキュリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
①『平衡度不整合』に起因するモード変換発生モデルと②『M系列変調TDR』によるインピーダンス変化検出を2本柱として,IoT機器のEMC設計,並びに,情報漏えいが懸念される電源・通信併用ネットワークにおけるセキュア監視の実証を試みることで,製品やネットワークシステムの安全・安心な設計,運用の実現を図ることを目標としている。2022年度は一連の項目の準備を行った。 ①に関して2022年度は,導体数が異なる場合に拡張した新たな等価回路モデルを提案するため,時間微分を含む多線条線路の電信方程式に立ち返り,時間応答に着目したモデルの構築を検討した。また,モデルの有効性評価のための準備として,モデルの検証に用いる導体数が同数の場合の解を用いた環境構築を,3次元電磁界シミュレーション結果により行った。さらに,システム開発における「基本設計」段階で実際の製品設計に対して真のEMC設計を実現するため,一組の通信系を対象として,回路基板の配置やコネクタ位置,ケーブルの引き回しにより決まるノイズ源(モード変換励振源)の位置と不要電磁放射の因果関係を,Ansys HFSSが持つ3次元電磁界シミュレーションと回路シミュレーションの連成解析機能を活用することで評価し,基礎データの収集を行った。 ②に関して,M系列変調TDRでは当初形状が矩形のパルスを用いた検討をしていたが,2021年度の検討で相関係数をより大きくするには帯域制限パルスが有効であることが明らかになったので,2022年度は正弦波パルスを対象としたシミュレーションによる評価を主に行った。一方,実験的検証を目的として助成で購入したパルス発生器を用いた測定系の構築を行った。最後に,コネクタの平衡度の測定による同定では,測定の基本原理を明確化するため,模擬コネクタを対象に3次元電磁界シミュレーションによる検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①『平衡度不整合』に起因するモード変換発生モデルと②『M系列変調TDR』によるインピーダンス変化検出のそれぞれにおいて,検討項目は複数ある。2022年度はそのそれぞれについて主に準備を行っており,おおむね達成することができた。M系列変調TDRでは正弦波パルスを対象としたシミュレーションによる評価を主に行い,予想された通り正弦波パルスの有効性を確認した。そして,これを前提とした測定系の構築もおおむね完了した。 モード変換励振源を表すノイズ源を,Ansys HFSSが持つ3次元電磁界シミュレーションと回路シミュレーションの連成解析機能を活用することで表現する試みは,エミッション,イミュニティとも有効であることが判明し,今後の検討につながる成果を得ることができた。 その他の項目についても多少の凸凹はあるが,当初想定した点までおおむね到達することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①-1 モード変換(電磁ノイズ)が生じる平衡度変化(不整合)のある接続部において,線路の導体数が異なる場合に拡張した新たな等価回路モデルの構築を前年度に引き続き検討する。モデル検証は導体数が同数の場合の解を利用して行い,得られたモデルの有効性評価は3次元電磁界シミュレーションと実測により行う。 ①-2 Ansys HFSSが持つ3次元電磁界シミュレーションと回路シミュレーションの連成解析機能を活用し,本年度は複数のケーブルの組がある場合を対象として,回路基板の配置やコネクタ位置,ケーブルの引き回しにより決まるノイズ源(モード変換励振源)の位置と不要電磁放射の因果関係を調べる。 ②-1 セキュア監視システム構築のため,M系列変調TDRにおける系列長,パルス幅,符号化方式などの最適条件の決定法の確立のための検討を前年度に引き続き行う。さらに,Raspberry Piのような小型マイコンを用いた監視システムのプロトタイプの設計を検討する。 ②-2 インピーダンス変化と平衡度の関係を考慮することにより,コネクタの平衡度の高精度測定法を検討する。提案手法の有効性評価では,3Dプリンタなどを用いて作成した模擬コネクタを用いて測定の基本原理を明確化する。
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