2022 Fiscal Year Annual Research Report
EVメタルパーツ溶接のマルチイメージングとデブリフリーレーザー溶接技術の開発
Project/Area Number |
22H01474
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 大輔 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (40444864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東口 武史 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80336289)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レーザー溶接 / デブリ可視化 / マルチイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,画像計測法とレーザープロセス法を駆使し,新しいデブリイメージング法や錯生成によるデブリ回収法で従来にないデブリフリーレーザー溶接法を実現することを目的とする.R4年度は(1)レーザー溶接装置の構築とレーザー溶接試験,および(2)遷移金属のレーザー溶接の様子の可視化および,デブリ量の時空間分布の定量計測を実施した. 波長1070nmの赤外波長ファイバーレーザーを用いた遷移金属のレーザー溶接試験装置を構築し,溶接時の様子を100fpsで動画撮影可能なインプロセスモニタリングシステムを構築した.鋼材を対象とした突合せ溶接試験を行い,溶接の様子の撮影に成功した.溶接時の溶融金属の熱輻射に着目し,特定波長を画像計測することで相対温度の評価が可能なことを実験的に明らかにした.さらに,熱輻射の計測値に対してしきい値を設定することで,溶融池および金属蒸気(ヒューム)や溶融金属粒子(スパッタ)といったデブリを定量計測可能なことを実証した.溶融池のサイズが溶接深さににも関連していることを明らかにし,溶接部の表面観察から溶接深さを見積もることができる可能性も見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度は(1)レーザー溶接装置の構築とレーザー溶接試験,および(2)遷移金属のレーザー溶接の様子の可視化および,デブリ量の時空間分布の定量計測を主要な目標として計画していた.途中,遷移金属加工用レーザーに不測の故障が生じたものの,いずれもほぼ計画通りに進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は,銅やアルミといった金属の溶接のためのレーザー光源として,赤外波長ファイバーレーザーに加え,青色波長半導体レーザーを導入する.その後,構築したインプロセスモニタリングシステムを用いてデブリの定量計測を実施する.レーザー照射条件を変更してデブリ生成メカニズムを明らかにするとともに,デブリフリーの実現可能性を調査する.さらに,発生するデブリをプロセス領域外に排出するためのガス流れ生成ノズルを開発し,デブリ排出の可能性を調査する.
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