2022 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ゲート駆動回路の高性能・高機能化を実現する弾性境界波フィルタの開発
Project/Area Number |
22H01476
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
五箇 繁善 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (80305416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 圭二 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (00326018)
垣尾 省司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70242617)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 次世代インバータ / ゲート駆動回路 / PBAWフィルタ / SAWフィルタ / 多重通信 / ワイドギャップ半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,次世代電力変換回路の多重化・高信頼化を実現するために,申請者グループが開発してきた「弾性表面波(SAW)を用いた次世代ゲート駆動回路」の大幅な高性能・高機能化を図ることである.最大の特徴は,これまでのSAWフィルタを境界波(PBAW)フィルタへと転換させ,耐電圧性能(絶縁性能)を大幅に改善し,取扱い容易なチップモジュール化(小型化)を実現する点にある.このために,PBAWフィルタの設計とその作製・評価,PBAWフィルタの動作状態リアルタイム検出化およびゲート駆動回路の高速スイッチング動作化を実現させ,パワーエレクトロニクス分野に必要なPBAWフィルタの物性を解明し,実用性能を備えた次世代ゲート駆動回路の実現化が目標となる. 初年度となる2022年度は,本提案法で一番重要となる①PBAWフィルタの作製に向けた基礎検討および②駆動波形の高速スイッチング化に関する研究を行った.具体的な研究内容と得られた研究実績を下記に示す. ①に関し,デバイスに必要となる弾性境界波の励振を確認するためリチウムナイオベート基板上に金電極による櫛型電極を作製して基礎特性の評価を開始した.本年度は特性が良好な試料を選択するところまで進められた.今後はSiO2皮膜を製膜してPBAW励振の確認を行う.②については,高速スイッチン波形伝送のために1本の同軸線での伝送であるが信号伝送チャネルとエネルギー伝送チャネルの2チャネル構成とした新たな伝送システムの提案と検証を行った.計測結果からは,5MHzでのゲート駆動信号の伝送を確認でき,本システムとしては500倍の高速化を実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画に従って研究が進んでいる.駆動波形の大幅な高速伝送化を実現できたことから非常に良好な研究結果が得られており,研究計画として順調に進捗している状況と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き作製したPBAWフィルタに関する詳細な評価計測を行う.また,PBAWフィルタの動作状態リアルタイム検出化についての実証実験を行い,本システムの適用範囲拡大を目指していく予定である.
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