2022 Fiscal Year Annual Research Report
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22H01484
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石川 直樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00801713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 秀樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (20334576)
石橋 功至 電気通信大学, 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター, 教授 (80452176)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 無線通信 / 量子計算 / 最尤検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の成果は計3編の論文としてIEEEのQ1国際誌に投稿し、うち2編が査読中、1編が採録判定に至った。採録となった論文について概要を以下に記す。 [成果1] 実数係数に対応したグローバー適応探索の提案とマルチアンテナ無線通信システムにおける最尤検出の量子加速 [Norimoto, Mori, Ishikawa, IEEE TCOM 2023] グローバー適応探索は二値最適化問題の求解を二次加速できる量子全探索アルゴリズムである [Gilliam+, Quantum 2021]。同アルゴリズムは整数係数の場合のみに対応しているが、本論文では、実数係数に対応できるようアルゴリズムを拡張した。また、拡張グローバー適応探索の通信分野におけるアプリケーション例として、マルチアンテナ無線通信におけるシンボル検出問題を解いた。従来研究は目的関数の量子回路をオラクルとして理想化しているのに対し、本論文では具体的に量子回路を構成し、量子ビット数や量子ゲート数を解析している。目的関数値の確率分布を導出し、量子アルゴリズムの動作をさらに加速するしきい値の決定法を提案した。誤り耐性量子計算を前提としたシミュレーションにより、最適な性能を保ったまま、問合せ計算量を大幅に削減できることを確認した。 その他、本研究課題に関して、依頼講演、招待講演、チュートリアル講演を1件ずつ仰せつかり、いずれもスライドや発表動画をresearchmapおよびYouTubeにて公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、初年度に成果1が得られ、目標としていたIEEE Transactions on Communicationsに採録された。計画通り順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、2023年度は成果1を発展させ、量子計算の通信応用を開拓する。
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