2023 Fiscal Year Annual Research Report
正則化機能強化による超ロバスト推定法の開拓と一般化:信号処理・機械学習への応用
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22H01492
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
湯川 正裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60462743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 功 東京工業大学, 工学院, 教授 (50230446)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ロバスト推定 / Moreau エンベロープ / MCペナルティ / 凸最適化 / 弱凸関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下、2023年度に得られた成果の概要を記す。 (1)分散型信号復元問題へのロバストアプローチ:ネットワーク上に散在するデータから、各ノードによる局所関数の最適化とノード間の復元結果の共有によって、ネットワーク上の全てのデータを使った最適解を求める問題を分散型信号復元問題という。ここで、各ノードは推定した変数の個数より少ない数の観測データ(入力ベクトルと出力の組)を持っており、幾つかの出力には、外れ値が含まれている状況を想定する。本研究では、2022年度に開発した安定ロバスト線形回帰の手法を発展させることで、外れ値にロバストな分散型信号復元法を構築した。TriPDーDistアルゴリズムに基づくアルゴリズムを与え、最適解へ収束するための条件を明らかにするとともに、シミュレーションによって有効性を実証した。本成果は、昨年9月にローマで開催された国際会議IEEE MLSP2023で発表するとともに、詳細な結果をまとめた論文を学術論文誌へ投稿済みである。 (2)ロバストオンライン多ユーザ検出法:無線通信において、通信路環境の変化にロバストな多ユーザ検出問題のためのオンラインアルゴリズムを開発した。まず初めに、最適な最大事後確率(MAP)フィルタが、ガウスカーネルの生成する再生核ヒルベルト空間の元であることを明らかにした。次に、この最適フィルタを少ないサンプルデータから効率的に推定する手法を与えた。さらに、通信路環境の変化へのロバスト性を得るべく、線形カーネルとガウスカーネルを組み合わせた部分線形モデルに基づくアルゴリズムを与え、通信路環境の変化に対するロバスト性が実現されることをシミュレーションで実証した。提案アルゴリズムは、研究代表者が2012年に提唱した多カーネル適応フィルタに基づいて構築されている。本成果は、フラウンホーファー研究所(独)との共同研究による。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定していた研究成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
随時、研究の方向性を見直しながら研究を進める。
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