2022 Fiscal Year Annual Research Report
Optimization and autonomous distributed algorithms for heterogeneous wireless protocol environment
Project/Area Number |
22H01493
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長谷川 幹雄 東京理科大学, 工学部電気工学科, 教授 (50358967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若宮 直紀 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50283742)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 無線通信システム / IoT / 最適化 / 自律分散型アルゴリズム / 通信プロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
無線LAN、Bluetooth、IoT用無線など、様々な無線通信システムがアンライセンスバンドで利用されている。同じチャネルを同時に利用する瞬間には干渉や衝突が起こるため、これらのシステムはそれぞれ異なる通信プロトコルによって衝突を避けながら通信しているが、送信機の数や種類が増えれば衝突率は悪化する。本研究では、多数のシステムをプロトコルレベルまで最適に共存させる自律分散型共存方式を確立する。 本年度は主に、現在920MHz帯で用いられているLow Power Wide Area(LPWA)方式のように多数チャネルが利用可能である状況を想定し、大規模なIoT無線通信システムの実現を目指し研究を進めた。強化学習を用いた自律分散型アルゴリズムによるチャネル手法を提案しており、コンピュータシミュレーションによって、10000台規模の大規模IoT環境における提案手法の有効性を示した。本手法は、計算量の小さいMulti-Armed Banditアルゴリズムを、IoT端末それぞれで実行することによって自律分散的にチャネル選択させる手法である。本提案手法を50台のIoT端末に実装し、実環境における実験においても、その有効性を示している。また、ISM帯で共存する複数の無線通信システムの同時送信時の通信品質モデル構築の検討を進めた。次年度以降も、詳細なシミュレーションを行い、共存モデルとアルゴリズムの完成を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多数のIoT端末を共存させる手法を提案し、その有効性を示すことに成功しており、おおむね順調に進展している。次年度以降は、複数種類の無線システム共存を対象とし、さらに詳細なシミュレーションによるモデルの構築を完成させる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ISM帯等で共存する異なる複数の無線通信システムの同時送信時の通信品質モデルの構築を行っていく。変更可能なパラメータを追加/変更しながら、各設定状況における通信品質を確認していく。ネットワークシミュレータによって、スループットや衝突率、エラー率を確認しながら通信品質モデルを構築する。 さらに、通信品質モデルに基づいた全体最適化を行う。様々なパラメータを変数とした最適化問題を定式化し最適化を試みる。機械学習によって構築した通信品質モデルに対しても、設定可能パラメータの最適化を検討する。さらに、通信開始後にも通信中に取得する測定データを随時データベースに追加し、これによって通信品質モデルを改善し、パラメータを最適化させるオンラインで動作するアルゴリズムも検討していく。 自律分散型最適化アルゴリズムの構築も進めていく。収集したデータ等を集中管理しながら、最適化は分散的に動作させる、集中と分散の連携アルゴリズムを検討する。自律分散型最適化の手法としては、強化学習、ゲーム理論、最適化問題の分割解法等を検討する。チャネル、パケット長、送信間隔、送信電力、CSMA/CAにおけるパラメータ等を、当該システムで取得可能な情報に基づいてシステム毎、あるいはデバイス毎に、自律分散的に設定を行うことによって、同一周波数帯を共用する複数の通信システムにわたる通信容量の最大化を目指す。
|
Research Products
(7 results)