2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a plattform technology for distributed fiber-optic chemical sensor devices
Project/Area Number |
22H01497
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
岡崎 慎司 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50293171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 尚哉 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (20361868)
荒川 太郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40293170)
西島 喜明 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60581452)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 光ファイバ / 分布型センサ / 光時間領域反射率測定 / 漏れ光 / 化学センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
線状光源と伝送用ファイバを結合する水素感応部について前年度に引き続き評価を進めた。石英コア(200μm)・フロロアクリレートクラッド(230μm)の光ファイバを用い、クラッドを溶剤で除去したコアのみファイバ上にゾルゲル法により白金担持酸化タングステン膜を固定化した光ファイバを作製し、水素応答特性を評価した結果、純水素及び4%水素に対して鋭敏に応答した。一方、感応膜の水素との反応性に関しては復帰特性が緩慢である点、感応膜自体の光学特性特性としては、高屈折率かつ光学吸収係数が大きい点については改善の必要があり、酸化タングステンとシリカの混合膜について検討した。まず、基礎特性評価のために石英基板にタングステンとシリカの混合比や焼成温度など様々な条件で固体化した水素感応膜の応答特性を評価した。焼成温度の影響について検討した結果、ゾルゲル法で固定化した膜を500℃で焼成した場合、酸化タングステン膜単独の場合より感度が増大すること、室内環境で6か月放置したデバイスでも応答特についてほとんど変化せず、優れた長期安定性を示すことが明らかとなった。一方、200℃の低温焼成した場合は、シリカとの混合でもほぼ同等の感度を示すとともに、水素応答後の空気中での復帰速度が大きく向上することが分かった。XPSにより触媒である白金の価数状態を解析したところ、200℃で焼成した膜は500℃で焼成した膜に比べて、金属状態の白金の割合は少ないものの、2価を含めて低酸化数状態の白金の割合が大きいことが確認できた。さらにTEM観察などから200℃で焼成した膜の良好な復帰特性は膜の多孔性に起因していることが示唆された。また、OTDR評価を進めるため光ファイバ線状光源からの漏れ発光を伝送用光ファイバで受光して評価するための光学系を光サーキュレーターを用いて作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近赤外領域で機能する光ファイバ線状光源を実現するために、コアのみ光ファイバから均一な漏れ発光が得られる屈折率構造を検討したが、現状では光ファイバ接合部などの損失により十分な特性が得られていないので、やや計画が遅れているという判断である。水素感応部の性能向上などについては順調に進んいる。
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Strategy for Future Research Activity |
光ファイバクラッドを除去したコアのみの光ファイバに高屈折率光学材料をゾルゲル法で塗布することで線状の漏れ光を得る手法について検討し、線状光源を実現する計画を推進する。また、近赤外カメラを導入するなど、発光特性を定量的に評価できるようにして、精密制御の可能性と光学解析などによる検証を推進する。また、学会発表や論文投稿を積極的に進める。
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Research Products
(5 results)