2022 Fiscal Year Annual Research Report
世界最小静電気発光センサによる可視化センシング技術の創成
Project/Area Number |
22H01504
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菊永 和也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究チーム長 (10581283)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 研二 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (40828282)
藤尾 侑輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (90635799)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 静電気発光 / 発光材料 / センサ / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
静電気発光材料を静電気センサとして活用するためには、その特性を明らかにする必要がある。そこで静電気発光現象に係る各物性として発光輝度、放電、電流、電圧、時間に着目し、それらを同時に計測するめのシステムを開発した。具体的には高電圧を印加できる針電極を用いてコロナ放電を発生させ、放電電圧・電流の測定、静電気発光、コロナ放電の撮影ができるシステムを構築した。このシステムでは0~±10kVの電圧印加が可能な高電圧電源、電圧・放電電流を記録するためのマルチ入力データロガー、静電気発光の撮影するためのCCDカメラ、コロナ放電を可視化するカメラを用いた。またシステム間における時間的ロスを減らすためにI/Oデバイスを用い、これらの機器を制御するプログラムを開発した。これにより各測定値において同期して数値化が行えるようになり、静電気発光材料の特性を定量的に評価できるようになった。 また静電気発光性を示す発光材料SrAl2O4:Eu2+について、第一原理計算にて電子状態の調査を行った。そこでは酸素空孔位置によるバンドギャップの影響を調べた。酸素空港の位置は64個存在し、Total Energyの低い10個にて最適化したパラメータで計算を実施した。その結果、指定した10箇所の酸素空孔の位置におけるバンドギャップへの影響は低いことが分かった。このことから静電気発光材料のバンド構造を計算するための基盤を確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は静電気発光の特性を評価するためのシステム開発および実験と計算から発光材料のモデルを構築するための足掛かりを得ることを計画していた。そこで静電気発光の特性に合わせた計測システムを開発し、計算と実験結果の整合性の検証から静電気発光材料の第一原理計算の確立し、バンド構造に関する知見を得た。このようなことから当初の計画通りに実施できておりおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は第一原理計算では材料物性のバンド構造や欠陥準位について更なる調査を実施し、静電気発光のモデル構築を目指す。また構築した静電気発光評価システムを用いて、様々な静電気発光材料の特性を評価するとともに、その特性を用いて発光を用いた静電気の定量性を試みる。
|
Research Products
(7 results)