2022 Fiscal Year Annual Research Report
最適化計算手法と問題設定の包括設計による複雑システムのモデル予測制御
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22H01510
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大塚 敏之 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40272174)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 制御工学 / 最適制御 / 非線形システム / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、最適化問題の構造を変換したり活用したりすることで複雑な制御問題にもモデル予測制御(MPC)を実装可能にすることである。令和4年度には、リンクが結合されたロボットのモデル構造を活用した計算効率化手法を開発し、環境との接触や衝突を含む四脚ロボットの全身動力学を省略せず考慮するMPCの実時間実装に成功した。実機実験では、18自由度12入力を持ち運動方程式を陽に書き下すことのできないほど複雑なシステムにおいて、接触に伴うモデルの切り替えや状態のジャンプ、摩擦力や関節トルク、関節角度の制約を考慮した非線形最適制御問題を2.5ms以下の計算時間で解きMPCを実現した。しかも、実機において避けることのできないモデル化誤差やセンサノイズ、状態推定誤差の下でも失敗しない最適化計算を実現した。さらに、ロボット特有の形式で記述されたモデルからMPCの実時間最適化プログラムを自動生成するツールも開発した。並行して、より一般的な不連続性を含むハイブリッドシステムの最適制御問題に対する汎用的な数値解法にも取り組み、計算効率化の有望な方法を見いだした。また、不確かさを含む確率システムのMPCに対して、未来の不確かさに応じた制御入力の修正も考慮した最適化手法を開発し、出力フィードバックへの拡張を行った。さらに、最適化問題に含まれる関数の性質を利用した数値解法の基礎検討や、ドローンの制御への応用にも取り組み、今後の発展が期待できる成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
接触や衝突を含み非常に複雑な数学モデルで記述される四脚ロボットの全身動力学を省略せず用いてMPCの実時間実装に成功したことは大きな成果である。さらに、ハイブリッドシステムや確率システムの最適制御問題に対しても計算効率化の有望な方法を見いだし、適用範囲が当初の計画以上に広がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
一般的なハイブリッドシステムの最適制御問題に対する計算効率化をさらに推し進め、実際的な問題設定のMPCを実時間で実装できるようにする。また、確率システムのMPCに関しても、不確かさを観測データに基づき学習するなどの拡張に取り組む。さらに、並列計算や問題の変換を活用した計算効率化も検討する。そして、脚ロボットやドローンなど複雑で高速なダイナミクスを持つシステムへの実装を通じた検証を行う。
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Research Products
(22 results)