2022 Fiscal Year Annual Research Report
CVDグラフェンの高移動度化に向けた擬似サスペンド構造の開発
Project/Area Number |
22H01534
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
沖川 侑揮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50635315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 貴壽 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究チーム長 (30306500)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | CVDグラフェン / 移動度 / 表面凹凸 / パーシステントホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グラフェンデバイス実用化のために、ウエハースケールのグラフェンデバイス作製のために、六方晶窒化ホウ素(h-BN)に替わる絶縁中間層をSiO2上に形成による高移動度を目指している。SiやSiO2の荷電不純物の影響を抑制するために、CVDグラフェンを擬似的宙空構造形成のための剣山構造中間層を作製する。中間層には、ナノ炭素材料を使用することでナノカーボンエレクトロニクス創生への発展も期待できる。これらの研究開発を通じて、社会実装を目指した2次元材料のデバイスエンジニアリングの基盤技術を構築する。 2022年度は、擬似的中空構造を想定して、CVDグラフェンの凹凸と移動度の相関関係の解析に取り組んだ。CVDグラフェンの移動度は、バックゲート型の4端子素子で評価した。移動度を測定した試料において、グラフェンのチャネル部分の表面凹凸を原子間力顕微鏡にて測定した。その結果、CVDグラフェンの算術平均高さと移動度の間には相関関係が見られなかった。ここで、新たに、DXによるトポロジカルデータ解析の一つであるパーシステントホモロジーをCVDグラフェンの凹凸像に適用し、解析を行った。パーシステントホモロジーは”穴”に着目した記述子であり、局所的ではなく大域的な繋がりを示すものである。パーシステントホモロジーを用いた解析から、パーシステント図とCVDグラフェンの移動度に相関があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クーロン散乱以外のCVDグラフェンの移動度の支配的要因の一つとされているCVDグラフェンの凹凸に着目し、DXによるパーシステントホモロジーによる解析を表面凹凸像に適用することで、パーシステント図と移動度に相関があることを突き止めた。本成果は、当初予期していなかった成果であるが、移動度の支配的要因を明らかにできた大きな成果である。当初予定していた中間層形成技術や評価技術に関しても、着実に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
SiO2表面の荷電不純物の影響を抑制できる剣山構造中間層にCVDグラフェンを積層する技術を開発する。CVDグラフェン/剣山構造中間層での結晶性や化学状態評価に特化した解析手法を開発する。また、申請者らが有するデバイス作製技術を凹凸のある剣山構造へ応用するため、CVDグラフェン/剣山構造中間層/SiO2積層構造の電界効果型トランジスタ(FET)を作製し、FET評価技術を確立する。
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Research Products
(1 results)