2022 Fiscal Year Annual Research Report
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22H01536
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横田 信英 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (00734542)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スピン偏極 / 面発光レーザ / 複屈折 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子の電荷だけでなくスピンの自由度を活用するスピンデバイスと、光と電子の相互作用を活用する光デバイスを融合することで、スピンと光の相互作用自由度を利活用することが可能になり、光通信やコンピューティング等の技術革新につながる。本研究では、このようなスピンと光のインターフェースとなるデバイスにおいて、共振特性を導入するものであり、両者の高効率変換や高速制御などに向けた新たな知見を得ることを目指している。また、このような共振型スピン光インターフェースデバイスの光通信分野への応用の可能性について明らかにすることを目指している。 当該年度では、共振型スピン光インターフェースデバイスとして複屈折を有する面発光半導体レーザを活用する手法について検討を進めた。電子の歳差運動と光の偏光振動を強く相互作用させる現象をターゲットとし、シミュレーションによって実験的に評価可能な条件を検討した。電子の歳差運動制御のための強磁場実験環境を立ち上げ、非磁性の治具などを特注で作製した。また、本デバイスの応用例として、コヒーレント光通信用の局発光源を提案しており、本アイデアの基礎となる注入同期面発光半導体レーザのスピン偏極変調特性を初めて明らかにすることができた。これらの成果に関して、国内学会発表1件、国際会議発表1件、学術論文発表1件を行った。また、共振型スピン光インターフェースを実現する上で重要な高複屈折かつ偏光無依存高反射率の薄膜ミラー構造を着想し、そのアイデアを特許出願した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規導入した電磁石を用いた強磁場実験環境を立ち上げ、計画していた実験に着手する段階まで到達することができた。シミュレーションによって実験条件も検討できたため、今後、共振型スピン光インターフェースデバイスの原理実証実験を進める準備が整った。また、本デバイスのコヒーレント光通信システムへの応用に関する実験の一部を前倒しで進めることができ、デバイス構造に関する特許申請など、将来展開に向けた成果も早期に得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
共振型スピン光インターフェースデバイスの具体例となる光スピンノイズ発振器の原理検証実験を行い、シミュレーションとの比較・考察を進める。また、光スピンノイズ発振器におけるスピンダイナミクスを外部光によって制御する手法についても新たに検討する。利用可能な磁場強度の範囲で光スピンノイズ発振器の動作が確認できない場合、面発光半導体レーザの複屈折を低減する方法を検討する予定である。
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