2022 Fiscal Year Annual Research Report
メタサーフェス上の超微細な液晶配向制御の構築と機能性コンタクトレンズへの展開
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22H01537
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石鍋 隆宏 東北大学, 工学研究科, 教授 (30361132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 陽生 東北大学, 工学研究科, 助教 (70771880)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 液晶 / 配向制御 / インプリント / フォトリソグラフィ / 配向性高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では配向性高分子を用いた微小な構造体の作製方法および、その構造体を構成する分子の配向方向を精密に制御するため、液晶性のモノマー材料の設計条件の明確化と、構造体に積層する液晶材料の探索を目的として以下の成果を得た。 1) 配向性高分子の分子配向を精密に制御するためには、成膜時および構造形成時における温度が重要であり、分子の熱揺らぎを抑えた処理方法が重要であることを明らかにした。このためにも液晶状態となる温度範囲が広い材料が適していることを確認した。また、配向性高分子の塗布時における粘度が配向に大きい場合、塗布工程後における分子配向の状態から配向規制方向への再配向が難しくなり一様な分子配向制御を行うことが困難となることを確認した。塗布時における材料の低粘度化を行うことで配向性が向上することを明らかにし、溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)を用い、濃度10wt%で混合することで、スピンコート後の配向状態を均一化できることを明らかにした。 2) 駆動用の液晶材料の配向揺らぎを抑えるためには膜厚を小さくすることが必要であり、膜厚が20ミクロン以下であることが望ましいことを明らかにした。この場合、光制御効率を向上させるために光学異方性が高い材料が好ましく駆動用液晶材料の屈折率異方性が0.2以上が望ましいことを確認した。屈折率異方性が高い材料を用いることで分子の揺らぎを抑えた光制御が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、配光性高分子膜の微細な構造制御と液晶材料の微小領域における配向制御を達成するために必要な材料の設計条件を明確化した。本設計条件に基づいた材料を用いることで、従来と比較して分子配向の均一性を飛躍的に向上することが可能であり、また光デバイスへの応用において高効率での制御が可能となる。以上のことから、本研究は計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、設計に基づいた配向性高分子材料および液晶材料を用いて、微細な構造制御と配光制御の実現を目指す。
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