2023 Fiscal Year Annual Research Report
メタサーフェス上の超微細な液晶配向制御の構築と機能性コンタクトレンズへの展開
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22H01537
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石鍋 隆宏 東北大学, 工学研究科, 教授 (30361132)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 液晶 / 配向制御 / インプリント / フォトリソグラフィ / 配向性高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分子配向を制御した微細な構造体をフォトリソグラフィおよびインプリント技術を用いて作製する技術を構築すると共に、構造体を用いた微小領域における駆動用液晶材料の分子配向制御技術の確立とそれを用いた新たな光機能の創出を目的とし、以下の成果を得た。 1) 微小構造体の形成に向けた配向性高分子の材料設計と作製プロセスを確立した。一般に微小構造を形成時、構造の端面における分子配向に揺らぎが生じて微小領域における光制御が困難となる。材料を塗布時に高温化させることで一様な配向状態を作ると同時に、構造形成時には低温化させることで分子の揺らぎを抑えることで配向の局所的な乱れを抑制し、微細な構造形成が可能であることを確認した。 2) ポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いてモールドを作製し、モールドの表面をCYTOPを用いてフッ素処理することで、剥離性が高いモールドを作製した。フッ素処理表面において液晶性モノマーが垂直配向することを応用し、基板上で一様な垂直配向状態を示す液晶性モノマー膜にインプリント技術により構造を転写し、その後、紫外線硬化することで、配向性高分子膜の配向状態と表面形状を同時に制御する技術を確立した。更に表面形状を制御した配向性高分子膜上に駆動用液晶材料を滴下し、配向性高分子膜を駆動用液晶材料の配向膜として用いることで、液晶を一様な垂直配向に制御することを達成し、作製した素子が配向欠陥なく光制御に有効であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、配向性高分子膜の微細な構造制御に必要な材料設計および、プロセス技術を確立した。この技術はフォトリソグラフィによる2次元構造の制御だけでなく、インプリント技術による3次元構造制御に応用が可能である。本研究では、インプリントに用いるモールドの設計手法を確立し、配向性高分子膜の表面形状と配向状態を同時に制御することに成功しただけでなく、その上に配置する駆動用液晶の配向制御を達成した。以上のことから、本研究は計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、前年度に得られた配向性高分子膜の構造制御を発展させ、より微細化した構造の実現と高効率での光制御の実現を目指す。光デバイスに向けた光学系を設計すると共に、実際にシステムを構築し本研究におけるシステムの有効性を実証する。
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