2022 Fiscal Year Annual Research Report
界面電荷・歪分極エンジニアリングの併用による窒化物半導体デバイス閾値電圧制御
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22H01545
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 寿一 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 教授 (80362028)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 窒化物半導体電界効果トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
AlGaN/GaNヘテロ構造電界効果トランジスタなど窒化物半導体トランジスタの作製プロセス技術において、界面電荷エンジニアリングと歪分極エンジニアリングを併用するためには、半導体表面に対する成膜に際し、界面電荷を制御しつつ半導体内部に歪勾配を与える手法を見出すことが重要である。そこで、様々な種類の成膜が可能となるように原子層堆積装置の改造を行った。これにより、酸化膜に加えて窒化膜や酸窒化膜の成膜が可能となる。 また、GaN系半導体表面に形成した構造が半導体内部の電気特性に与える影響を評価する手法の検討を行った。特に、半導体表面にオーミック金属を形成した場合には、特性評価のために注入する電流が半導体側と金属側に分配されて流れるため、半導体内部のみの電気特性を抽出することは容易ではなかった。検討の結果、従来のエンドコンタクト抵抗法とフローティングコンタクト抵抗法に加え、多端子ホール素子測定法が有効であることが明らかとなった。さらに、高周波帯におけるフローティングコンタクトインピーダンス測定を検討した結果、この測定が半導体中の空乏層長を直接評価することに有効であることがわかった。これらの評価手法によって、表面にオーミック金属が形成されているAlGaN/GaNヘテロ構造やn型GaNにおいて、金属によって加えられた歪勾配に由来する分極ドーピングが起源であると考えられるキャリア濃度増加や空乏層長減少が生じていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
界面電荷エンジニアリングと歪分極エンジニアリングの併用に適した成膜技術を見出すために原子層堆積装置改造を行ったが、必要部品の供給不足のために改造作業に遅滞が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
AlGaN/GaNヘテロ構造表面上成膜と成膜後アニールによって半導体内部に歪勾配を与える技術を検討する。表面に成膜する材料として絶縁体・金属の双方を検討しつつ、この歪勾配にともなう分極ドーピングがAlGaN/GaNヘテロ構造の電気特性をどう変化させるかについて評価解析を行い、定量的な知見を得る。この知見に基づいて、ヘテロ構造表面からヘテロ構造内部に向けて減少する面内圧縮歪勾配を与え、歪分極勾配によるp型分極ドーピングを実現する技術を目指す。また、電気特性を測定するためのプローバシステムに温度可変ステージを導入し、上記の電気特性変化がどのように温度に依存するかを明らかにする。
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Research Products
(2 results)