2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development for the advanced helical fiber grating and its application to chirality sensor
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22H01546
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
李 洪譜 静岡大学, 工学部, 教授 (90362186)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 円二色性 / 旋光性 / 螺旋状ファイバ回折格子 / キラティーセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「通常の光ファイバは旋光性を持たない」という常識を打破し、巨大旋光性を有する螺旋状ナノ・マイクロファイバ回折格子を開発し、そして小型・簡便・迅速・安価、超高感度性を有する全ファイバ系化学・バイオキラリティーセンサーへの創出を検討する。過去1年間の研究進展は以下の通りである。 まず、我々は円二色性を有するHLPG発生機構を明らかにした。ここで、HLPGに円二色性有する起因は光子のスピンと角運動量モードとの強い相互作用であることを実験的に明らかにした。さらに、HLPGのピッチが小さいほどその円二色性が強くなることを確認出来た。 次に、我々はHLPGの最適化設計を行った。今迄に開発したHLPGは、その動作の中心波長がほとんど1550 nm前後30nm帯域(光ファイバ通信のSバンド、Cバンド及びLバンド)である。しかし、主な生体またキラル構造を有する化学・バイオ試料の円二色性スペクトルのピークは可視光―近赤外線 (400-1100 nm) 領域であり、1550 nmの帯域の円二色性が極めて小さく、観測できない状態となる。我々は、HLPGによる化学・バイオキラリティーセンサーを実現するため、 (400-1100 nm)波長領域動作出来るHLPGの最適化設計を行った。さらに、中心波長1100 nm附近帯域を有するHLPGの試作を行い、成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外アメリカのメーカーから購入した新しいCO2レーザーの納期が通常は3ヶ月程度と言われるが、部品のサプライチェーン等問題で、10ヶ月以上になった。結局、該当装置の納入は大幅に遅れて、R5年1月末頃にとなった。これにより、HLPGの製作法の開発は当初の計画により半年くらい遅れてしまった。他の部分(理論解析、シミュレーション等)は、計画の通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. CO2レーザーによる二重HLPGの製作法の開発及び評価 これは、従来用いられていたZnSeレンズでCO2 レーザーを絞り込み、ファイバに直接照射する方法とは異なり、サファイア結晶管を用いて間接的に光ファイバを加熱する。それによって、ファイバの表面に欠陥を生じず、均一なスペクトル特性を有するHLPGの作製が出来た。本研究では、この作製法をさらに改善し、細線化したHLPGの製作法を開発する。 2. 異なる次数の光渦モードを有するHLPGの理論解析及びその新しい製作法の開発 ファイバコアに基本モード(HE11)を異なる次数の光渦モード(1次、2次、3次)に直接変換できる軌道角運動量(OAM)生成器を提案し、試作する。尚、本研究で取り扱うのは通常用の少数モードファイバであり、そのコアの屈折率分布は円対称であるので、一般的には,このようなファイバによって作られたHLPGは1次OAMモードだけで、2次以上の高次OAMモードの生成は不可能であると言われている。この問題を克服するため、本研究はHLPGの方位角度方向に周期的に位相シフトを挿入することによって4次以上OAMモードを有するHLPGを提案し、その方法の妥当性と実用性について検討する。
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