2023 Fiscal Year Annual Research Report
高精度かつ小型化が容易なTOF距離センサシステムの開発
Project/Area Number |
22H01547
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
安富 啓太 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (50621661)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Time-of-Flight / 3次元計測 / イメージセンサ / LiDAR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高精度かつ小型化が容易なTOF距離センサシステムの構築について検討している.特に100umを超える距離精度を実現するためには,光源およびセンサ内のジッタ低減が必須となる.これまでに開発してきた参照サンプリング法を発展させ,小型化が可能な2つの手法(空間分離型・時間分離型)を考案し,実装を進めている. 空間分離法の原理検証に用いる測距システムについて,距離精度が1フレームで32um,10フレームの距離精度が実現できることが分かっている.一方で,3次元計測器として利用する場合には確度の評価が重要となる.そこで,非接触3次元計測器の規格に沿ったボールバーゲージを試作し,確度の検証を実施した.試作したボールバーゲージは,セラミック素材で球径25.4mm,球間距離50mmのものを試作した.この評価の結果,球間距離50mmに対して,49.978mm(誤差22um)が得られ,おおよそ距離精度と同等レベルの確度が得られることがわかった. 空間分離型・時間分離型のどちらの場合においても,光ファイバの広がり角が重要となる.昨年度試作したシングルモードファイバでは広がり角が不足するため,径の異なるシングルモードファイバ・マルチモードファイバで先端加工したものを試作した.コア径を大きくすることで,より大きな広がり角となりセンサに近接可能となることが期待できる. 測距拡大について,ファイバレーザと読み出し時のオン・オフに用いるための音響光学変調器を導入した.今後,従来の半導体レーザから置き換えて,測距拡大の距離計測実験を試みる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主目的にである空間分離型・時間分離型に利用する光ファイバについて,一定の目途が立ったこと,およびボールバーゲージの評価結果から距離精度と同等レベルの計測確度が得られることが明らかとなったため,概ね順調に進展しているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
空間分離型の実現のため,試作した先端加工済みのシングル・マルチモードファイバの広がり角について,詳細に評価し,実験系およびセンサ設計のための指針とする.この評価結果を踏まえて,これまでの実験系に組み込み,提案する空間分離型の参照サンプリング方式についての有効性を検証する.
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