2023 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of technology to control frost damage in concrete structures using ice crystal control agents
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22H01567
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鶴田 浩章 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (90253484)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 氷結晶制御剤 / 凍結融解試験 / スケーリング試験 / 混入 / 塗布 / 新設構造物 / 既設構造物 |
Outline of Annual Research Achievements |
新設構造物への適用に関しては、コラーゲンペプチド10μg/ml+メラノイジンを混入した場合のスケーリング抵抗性試験において、空気量が5.0%と3.5%、2.0%の場合で、スケーリング抑制効果が5.0%<3.5%<2.0%となり、空気量が十分でない場合において明確なスケーリング抵抗性の向上効果が見られ、氷結晶制御剤の混入の有効性が明らかとなった。また、氷結晶制御剤のセメント硬化体としての凍結膨張量を測定する試験法の検討は何度かの失敗を経て、ようやく安定したデータを得ることができるようになった。さらに、AVA(エアーボイドアナライザー)を使用した空気泡の分布測定が円滑に行えるようになり、空気泡の分布と耐凍害性の関係の検討を進めることができた。 既設構造物への適用に関しては、コラーゲンペプチド180μg/ml+メラノイジン+接着剤80μg/mlを空気量2.0%以下の試験体表面に塗布した場合のJISの凍結融解試験において、初めて300サイクルで相対動弾性係数60%超の結果を得ることができた。このことから、氷結晶制御剤の塗布によっても耐凍害性を向上させる結果が得られた。 また、2019年に北海道札幌市の寒地土木研究所で始めた屋外暴露試験の試験体を2024年1月下旬に回収し、相対動弾性係数の測定を行った。4年程度の屋外暴露試験では、どの試験体においても大きな凍害劣化は生じていなかった。そこで、新たな氷結晶剤を混入した試験体、塗布した試験体9体を設置し、試験体上面には塩水を貯めて新たな暴露試験を開始した。 氷結晶制御剤の開発、品質評価等については、過去に高い効果を示したデータを得た不凍多糖の結果を鑑み、最近の試験でよい結果を示しているメラノイジンに着目して、高分子材料を除去しないメラノイジン(不凍多糖と同様の高分子形態)の製造ができることがわかり、その活性の高さを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗としては、氷結晶制御剤を混入した試験体のスケーリング試験後のひび割れ観察、塗布した試験体の凍結融解試験後のひび割れ観察が完了していないが、近々確認できる見込みであり、それにより氷結晶制御剤の効果がより明確になると考えている。 さらに、氷結晶制御剤を混入したセメント硬化体の凍結膨張量の把握については試行錯誤を繰り返して、ようやく試験法が確立できそうであり、測定データの取得が期待される状況となった。AVAやUFB(ウルトラファインバブル)を用いた空気泡の分布と耐凍害性の関係の明確化も、確実にデータを取得できるようになったことから、今後の進展が見込める状態である。 これまでの検討により、氷結晶制御剤の混入と塗布の両方で、耐凍害性の向上効果が確認できたことが新設構造物及び既設構造物の両方に適用できることを示す大きなインパクトとなると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、氷結晶制御剤の混入、塗布の両方での耐凍害性向上の効果確認の再現性の確保、データの蓄積、コラーゲンペプチドのセメントの凝結への影響の明確化、氷結晶制御剤を混入したセメント硬化体の凍結膨張量の把握、回収した暴露試験体に対してJISの凍結融解試験を行うことによる耐凍害性の確認、AVAやUFBを活用したコンクリート中の空気泡分布と耐凍害性の関係の明確化などに重点を置いて進めていく予定である。また、高分子メラノイジンをはじめとした新たな、性能の優れた新材料についても、その効果確認を行っていく。 そして、以上の研究結果を研究最終年度の成果としてまとめ、研究期間全体の成果として氷結晶制御剤によるコンクリート構造物の凍害抑制技術についての取りまとめを行い、対外論文としての成果の発信も行う予定である。
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