2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of isolation bearing to be effectively used for seismic retrofitting
Project/Area Number |
22H01570
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
藤倉 修一 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (90782558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
運上 茂樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (60355815)
大住 道生 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(構造物メンテナンス研究センター), 上席研究員 (70784479)
小林 巧 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(構造物メンテナンス研究センター), 研究員 (30962427)
井上 和真 群馬工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (50825982)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 球面すべり支承 / 地震時挙動 / 免震支承 / 耐震補強 / 振動台実験 / 非線形動的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
免震支承である球面すべり支承を橋梁の耐震補強として用いるために,球面すべり支承の地震時挙動を明らかにする研究を行った.免震支承は,軸力の影響を受ける積層ゴム支承に比べると,支持重量とは無関係に周期を決定できるとともに,原点復帰という利点もあるが,地震時挙動,特に,内陸直下型地震時の挙動が明らかになっていない. そこで,球面すべり支承の基本的な性能検証として,温度依存性と速度依存性に着目し,中摩擦型および低摩擦型の2種類のすべり材における摩擦係数の温度依存性について検証するために,小型振動台を用いた動的振動実験を実施した.その結果,中摩擦型および低摩擦型の球面すべり支承において,温度依存性と速度依存性が確認されたが,摩擦係数の変化は低摩擦型の方が中摩擦型よりも小さいことが明らかになった. 次に,橋梁上部構造の桁端部における衝突時の基本的な力学現象を把握するために,数種類の緩衝ゴムを端部に有する橋梁上部構造模型を用いて反力壁への単純衝突実験を行った.その結果,衝突速度が概ね等しい場合,緩衝ゴムが薄い方が衝突荷重は大きくなる.また,緩衝ゴムの硬度が高いほど衝突荷重は大きい傾向であり,衝突継続時間が長くなると衝突荷重は小さくなることが分かった.衝突時間については,緩衝ゴムの厚さが厚い方が,硬度については軟らかい方が,長くなることを見出すことができた. さらに,球面すべり支承を有する地盤剛性の異なる橋梁モデルに対して,非線形動的解析を実施し,地盤剛性の違いによる応答値の標準偏差について検討を行った.その結果,ほぼ全てのケースにおいて,Ⅰ種地盤上の直接基礎を想定したモデルⅠの方が,Ⅱ種地盤上の杭基礎を想定したモデルⅡよりも応答値の標準偏差が小さく,振動制御の観点から,球面すべり支承を適用する際には,地盤剛性が高く地盤が硬い方が好ましい可能性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,球面すべり支承の基本的な性能検証として,温度依存性と速度依存性,衝突時の基本的な力学現象および地盤剛性の違いによる動的応答値への影響について明らかにすることができた.いずれも,球面すべり支承を橋梁の免震支承に実装するためには,必要であり,大きな成果と言え,予定通り進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,主に,小型振動台による実験によって,球面すべり支承の地震時における基本的な挙動を明らかにした.翌年度は,国立研究開発法人土木研究所が保有する三次元大型振動台を用いて,大規模地震時の球面すべり支承の挙動を明らかにする予定である.
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Research Products
(6 results)