2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of fatigue crack prevention and corrosion protection by friction stir welding for steel structures
Project/Area Number |
22H01577
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣畑 幹人 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50565140)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | インフラ構造物 / 維持管理 / 疲労 / 腐食 / 摩擦攪拌接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,前年度に作製した突合せ溶接継手に対し,FSWによる止端部処理を施したことによる疲労耐久性の向上効果を確認するための疲労実験を実施した。FSWを止端部に施すことによって,金属組織が微細化され,硬さが上昇する傾向を確認した。また,特定の載荷条件下において,溶接ままの継手に比べ,FSWを施した継手の疲労寿命が長くなる結果を得た。さらに本年度は,突合せ溶接継手とともに鋼橋に多用されるT継手を作製し,すみ肉溶接の止端部にFSWを施すためのパイロット試験体を作製した。この試験体を用いて,T継手のすみ肉溶接止端部に対し,FSWを施すための条件を探索した。 FSWにより鋼板表面に金属被覆を形成する技術に関しては,研究協力者である大阪大学接合科学研究所の藤井教授の研究グループとともに被覆として用いる金属をアルミニウムに決定し,鋼板表面にアルミニウムを接合するための条件を探索した。ツールの押込み深さ,ツール回転数,攪拌速度を適切に設定することで,鋼板表面に厚さ2 mmのアルミニウム板を接合することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疲労耐久性向上のための溶接継手への適用については,突合せ溶接継手に対するFSWの基本的な施工条件を確立することができた。また,T継手に対してもすみ肉溶接止端部にFSWを適用するための基本条件を提示することができた。 防食のための金属被覆の形成については,被覆の種類を選定し,基本的な被覆形成条件を確立した。さらに,腐食促進実験装置を開発し,被覆の耐久性を評価するための基盤を整備することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
T継手のすみ肉溶接止端部に対するFSWの適用が疲労耐久性に及ぼす影響を明らかにするため,疲労実験を実施する。疲労実験と併せて,止端部形状,残留応力,金属組織の変化についても検証を実施する。 FSWによるアルミニウム被覆を施した鋼板の腐食耐久性を明らかにするため,腐食促進実験を実施する。既往の被覆種類であるエポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂を施した鋼板との比較を通じて,FSWで形成したアルミニウム被覆による防食効果を検証する。
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