2022 Fiscal Year Annual Research Report
Eco-friendly biocementation of geomaterials using acid urease and bone meal
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22H01581
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川崎 了 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00304022)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 酸性ウレアーゼ / 骨粉 / リン酸カルシウム化合物 / バイオセメンテーション / 地盤材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる令和4年度は,①微生物由来の酸性ウレアーゼの探索,②リン酸カルシウム化合物(CPC)室内析出試験,③小型容器を用いた地盤材料の室内固化試験,について実施した。得られた主な成果の概要は,次のとおりである。 ①微生物由来の酸性ウレアーゼの探索:自然の植物や自家製の漬物の糠床などを対象としたウレアーゼ活性を有する乳酸菌の分離・単離試験を実施し,単離した菌株の遺伝子解析(16S rRNA遺伝子)を行った。その結果,糠床から乳酸菌と同定された4菌株を単離することに成功したが,いずれもウレアーゼ活性が非常に低いことがわかった。このため,引き続きウレアーゼ活性が高い乳酸菌の探索を行いながら,単離した4菌株のウレアーゼ活性を高める方策について検討を実施した。 ②リン酸カルシウム化合物(CPC)室内析出試験:CPCの析出および結晶化に適した条件について検討するため,試験管を用いた室内CPC析出試験を実施した。また,リン酸源に関しては,高価な試薬に比べて安価な代替品(例えば,食品廃棄物である動物や魚の骨など)の適用性について検討を行った。さらに,CPC析出物のXRD分析を実施した。その結果,リン酸源としては,動物(牛と豚)の骨粉およびマグロの骨が適用可能であることがわかった。また,尿素の濃度が高くなるほど,CPCの析出量が増加する傾向が見られた。さらに,XRD分析より,CPCの結晶としてBrushiteやMonetiteが析出することがわかった。 ③小型容器を用いた地盤材料の室内固化試験:市販の酸性ウレアーゼ試薬を用いて,CPCによる地盤材料の室内固化試験を内径2cmのシリンジを用いて実施した。その結果,固化した供試体の針貫入試験によって得られた推定一軸圧縮強さ(推定UCS)は,尿素の添加割合に対応して増加する傾向が見られ,最大の推定UCSとしては試験開始から3週間後に約2 MPaとなることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度における研究の目的,実施計画,経費などの策定が適切であったこと,また,期待された研究成果が概ね順調に得られたこと,さらに,研究代表者に健康上の問題が発生しなかったことなどが,主な理由として考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画のとおり,令和5年度においては,①微生物由来の酸性ウレアーゼの探索,②リン酸カルシウム化合物(CPC)室内析出試験,③小型容器を用いた地盤材料の室内固化試験,の3項目について実施する。
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Research Products
(47 results)