2022 Fiscal Year Annual Research Report
3次元構造フィルターによる新たな土粒子濾過技術の開発
Project/Area Number |
22H01591
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
米田 純 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (40760187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 慎太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50803532)
中田 幸男 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90274183)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 3Dプリンター / フィルター / 透水 / 内部浸食 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒状材料を止めておくためには、ふるいのような網目、又は砂利のような粒状材料を使う。しかし、濾過機構は流れてくる粒子を止める役割をしているので、いつかは詰まってしまう。盛土に設けられる暗渠管やジオシンセティクス排水材、天然ガス井のスクリーン等がこれに当たる。フィルターが目詰まりを起こすと、本来の機能が発揮できず、場合によっては災害を誘発し、大きな事故につながる。一方で、大きすぎるフィルターを選定すると、内部浸食の原因となる。本研究は、様々な3次元構造を持つフィルターの開発を進め、それらの基礎的物理特性と目詰まりメカニズムを明らかにし、広範な粒度に対して長期的に濾過機能を発揮できる技術開発を行う。初年度、まずは2種類の3次元構造のデジタルデータを活用し、個別要素法を適用し、自由落下による粒子のトラップメカニズムを可視化した。一つは一般的な縦横の編み込み構造(2Dフィルター)を再現し、もう一つはダイヤモンドの格子構造(3Dフィルター)を再現した。2つのフィルターは、粒子をトラップまたは濾過するための最小目開きと粒子径の関係において、異なる閾値を持つことが明らかとなった。3Dフィルターの方がより粒子のリーク率が高く、目詰まりが生じにくい結果となった。加えて、得られたデジタルデータを基に3Dプリンターを用いて3次元構造フィルターを印刷し、模型実験装置による透水試験を実施した。高いフィルター性能を持つことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、解析及び実験ともに概ね順調に進展している。 特に個別要素法を用いた解析では、一般的に利用されているメッシュ状のフィルターと、3次元構造フィルターの機能の違いを明らかにすることができ、メカニズムの解明に近づいている。次年度以降も実施計画通りに遂行していく。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに高精度、大容量の3Dプリンターを導入することで、比較的大きなフィルターを作製し、実用性の検討を進めていく。また、数値解析も引き続き実施し、粒子のトラップメカニズムの解明を目指す。
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