2022 Fiscal Year Annual Research Report
Climate change impact assessment for flood and drought y evaluating damage risks through repeated extreme events
Project/Area Number |
22H01594
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 朋人 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10554959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津川 誠 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (10344425)
星野 剛 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員 (40750625)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 気候変動 / 極端現象 / 降雨 / 降雪 / 水資源 / 複合確率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は極端自然現象の重畳がもたらす洪水・渇水リスクの評価手法を構築し、地域が有するリスクの特徴および気候変動による影響を明らかにするものである。本研究で得られた成果を以下に列挙する。 1) フィールド調査及び観測を実施した。既存の観測結果を用いた水資源量の経年変化を分析し、融雪期を4月1日から6月30日までと定義すると、2003年から2022年の豊平峡ダムと定山渓ダムの融雪期のダム湖への総流入量は概ね同期していること、特に流入が多い年と少ない年ではよく同期し、平年的な流入量の年は流入量の偏りが大きいことが明らかとなった。 2) 石狩川で塩水遡上が起こる気象状況として、降雨が少ないかつ南東風が卓越しているが、その中でも高温のパターンと低温のパターンがあることが明らかとなった。また、弱混合の二層流モデルを用いた風速に対する塩水遡上の遡上距離の感度実験により、2021年7月後半に南東風が仮に継続して場合、塩水が取水口に到達し、取水制限となった可能性が示唆された。 3) 2019年台風19号と類似経路を辿る台風が利根川と千曲川の流域界にあたる南軽井沢周辺にもたらした降雨を分析し、今次台風が大量アンサンブルデータから得られる類似経路の台風においても最大規模の台風事例であることがわかった。また同台風が二つの流域を跨いで大雨をもたらした要因が日本北側に位置する寒気との関係によりもたらされたことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は本研究構成の三つの項目に対してそれぞれ研究成果が得られた。それら個別の研究を進めるとともに体系化を図ることで本研究の課題である複合災害のリスク評価の検討を推し進めることが可能となる。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は今年度得られた成果をもとに、対象となる極端現象に関する分析を進める。それにより複合確率をベースとしたリスク評価手法の構築を目標に、今後の洪水・渇水対策の検討のベースとなる情報を構築する。
|
Research Products
(53 results)