2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of an applied methodology for geographical and economic impacts of transportation infrastructure projects based on spatial economic theory
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22H01617
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石倉 智樹 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (30356050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 実 京都大学, 経済研究所, 助教 (50793709)
高山 雄貴 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90612648)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 空間経済学 / 交通社会基盤政策 / 効果分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【定量的な空間経済モデルにおける理論面でのカテゴリー整理】:既存の空間経済理論モデルにおいて,地域間の交通改善(輸送費削減)がもたらす立地パターン変化の特性に着目し,モデルの理論的な前提条件と解析的な帰結との関係性について,類型化と分類を行った. 【実データを用いた応用分析に適した空間経済理論モデルの構築】:現実世界における多地域経済データを用いた応用分析へ適用することを前提として,データの利用可能性も鑑み,本研究課題において採用する空間経済理論モデルの理論的枠組みを構築した. 【空間経済理論モデルの演算手法の高度化】:空間経済理論モデルは,長期均衡状態と呼ばれる,地域間の厚生水準相対差による人口変化が生じない状態下の経済状態を描写するモデルである.この均衡状態を算出するためには均衡解の数学的な安定性や,複数均衡の存在を前提とする高度な演算技術が必要である.2022年度は,研究代表者および研究分担者による先行研究の知見を基に,安定均衡解を効率的に計算する手法の高度化を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね,予定していた研究実施計画に沿った成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
【空間経済理論モデルの演算手法の高度化】:空間経済理論モデルは,長期均衡状態と呼ばれる,地域間の厚生水準相対差による人口変化が生じない状態下の経済状態を描写するモデルである.この均衡状態を算出するためには均衡解の数学的な安定性や,複数均衡の存在を前提とする高度な演算技術が必要である.2023年度は,均衡解の安定性を効率的に解析する手法を高度化する. 【キャリブレーション手法,基準均衡データ作成方法の確立】:昨年度に構築した理論モデルの枠組みに基づき,基準均衡データを再現するようモデルの未知パラメータをキャリブレーションする手法および,公的に入手可能な経済統計データを加工してモデルと整合的な基準均衡データを構築する手法を構築する.入手可能な統計資料等のみでは基準均衡データ作成に十分な情報が得られない場合も生じる場合もあるが,近年研究が進んでいる擬似最尤推定法等の計量経済分析手法を活用することによりパラメータ推定の際に生じるバイアスを軽減させる方法論を計画している. 【汎用的計算システムの構築】:演算システムおよび,上記で開発したキャリブレーション手法を計算機上に実装し,様々な基準均衡データに対応した汎用的なモデル計算システムを構築する.
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