2022 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質による水環境汚染に歯止めをかける革新的センシング技術の開発
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22H01624
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
倉光 英樹 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (70397165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 明 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (40401799)
菅原 一晴 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30271753)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 光ファイバー / LSPR / 分光電気化学 / ペプチド / 抗生物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗生物質の一種であるテトラサイクリン(TC)の過剰な使用は環境中の薬剤耐性菌の蔓延に繋がる危険性がある。そのため,水環境におけるTCの計測は社会的に重要課題である。バイオアッセイやHPLCを使用したTCの測定法が利用されているが,それぞれ定性・定量性に欠けていることや,操作が煩雑であるなどの課題がある。そこで本研究では,簡便かつリアルタイム計測が可能な,分光電気化学光ファイバーアプタマーセンサーの開発を目的とした。 本センサーは,ITOを被覆した光ファイバーに金ナノ粒子(AuNPs)を修飾し,TCに親和性を有するペプチドアプタマーを表面に修飾することで作製する。TCと親和性を有するDNAアプタマーとペプチドアプタマーを論文調査に基づいてデザインし、合成した。また、金ナノ粒子に加え、アスペクト比の異なる金ナノロッドを合成し、屈折率応答をAuNPsに由来する局在表面プラズモン共鳴(LSPR)の電位掃引に伴う極大吸収波長の変化から分光器を必要としない単一波長での測定をITO修飾光ファイバーを用いて実施した。 光ファイバーへ修飾するITOの膜厚を最適化するために、ITOを時間を変えて高くスパッタリングしたところ、ITOに由来する共鳴が得られる作製条件が分かり、このITOに由来する共鳴波長が金ナノ構造体の存在に鋭敏に反応することが新たに分かった。この現象も含め、今後の研究を展開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各種アプタマーのデザインとアプタマーのテトラサイクリンとの親和性評価に時間を要し、助成金の繰り越しを実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
各種ぺプチドアプタマーとDNAアプタマーのデザインを文献調査からやり直し、センサーへの修飾と修飾したアプタマーとテトラサイクリンとの親和性を評価する。クロスチェックのために既存の電気化学的手法を適用し、アプタマーの金への結合とアプタマーとテトラサイクリンの親和性の評価も試みる。
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