2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Optimal Design and Performance Limits of Microbial Fuel Cell-based Water Treatment through Model Calculations
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22H01625
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 奈央子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10432220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孟 令宇 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (10859440) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 微生物燃料電池 / 電気生産菌 / 下水道 / 廃水処理 / モデル計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目はアノードについての計算モデル構築に尽力し、下水中の有機物供給濃度の変数としてアノード抵抗を計算しMFCの電力をして示すことができた.しかし、有機物濃度が減少しなくなった状況でも電流が供給される理論的齟齬があり有機物分解から電力を計算するには至らなかった.これより、2年目となる昨年度は、アノードバイオマスが自己消化することで電流生産される計算を組み込み、有機物分解~電流生産までを計算することができ、論文出版に至った.一方で、カソードのモデル式を組み込むためのMFC運転評価を現場で試みたが、うまくカソード抵抗が変化する運転条件を設定することができなかった.この原因として、参照電極がアノード槽に設置されているがために溶液抵抗とカソードの酸素還元反応の抵抗が分離されないため、溶液抵抗が大きいために全体として変化が見られない可能性が示唆された。そこで、新たにインピーダンス測定を現場で行い、カソードの抵抗を溶液抵抗と酸素還元反応による抵抗とに分離して測定することを行い、酸素還元反応による抵抗が支配的であることを明らかにした。また、この際、長期間のMFC運転においてカソード表面にカルサイトが析出することでカソード抵抗を増加することも明らかになった. また、9,10-アントラキノンジスルホン酸を電子受容体とした選択培地を用いた寒天平板培養スクリーニングにより、多様な複数の電流生産微生物を分離し、現在、これらの微生物において電極への電子伝達機構がどのように行われるか検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機物分解による濃度減少によってアノード抵抗が増加する式を組み込み、有機物分解に応じた電流生産を計算することができたことは大きな進展である.一方、カソード抵抗を計算式に示す課題が残っているが、本年度にインピーダンス試験を現場で行ったことで、溶液抵抗と別に分けて測定する進展が得られたており、最終年度には申請時に目指したアノード・カソード反応を含む包括的な計算ができると見込まれる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在の課題はカソード抵抗の計算である.昨年度試行した経験より1m長のMFCを用いカソード抵抗が変化する条件を下水処理場で検討することは困難であると判断し、実験室でカソード抵抗変化が生じる条件検討を行う.実験室でまずは検討し、これを下水処理場で再現することを試みる.下水処理場での再現試験が難しい場合は、実験室で測定したデータを用いカソード抵抗の計算式を構築し、下水処理場におけるMFCの電流生産計算に適用する.
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