2023 Fiscal Year Annual Research Report
Genomic Information Reveals Environmental Responses of Riverine Organisms: Conservation Focusing on Natural Selection and Functional Diversity
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22H01627
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 幸三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80634435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹門 康弘 京都大学, 防災研究所, 准教授 (50222104)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 河川 / ゲノム / 生物多様性 / 次世代シークエンサー / 環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究項目2:選択性遺伝子座のゲノムワイド検索 愛媛県肱川流域の上流から下流に分布する60地点から採取したヒゲナガカワトビケラ、チャバネヒゲナガカワトビケラ、ウルマーシマトビケラの3種を対象にして,個体ごとにDNAを抽出した。次世代シークエンサーを用いたDouble digest restriction-site associated DNA (ddRAD)解析で、これら3種からもっとも効率的にゲノムをより網羅的にカバーする遺伝情報を取得するためにもっとも適した制限酵素(ゲノムをランダムに切断するための酵素)のペアを20ペアの中から選んだ。この最適な制限酵素ペアを使って、各個体を認識するインデックス配列をDNA断片に付加したddRADライブラリーを作成した。また、一部のサンプルは形態学的同定では不十分であったため、抽出したDNAを使って昆虫のDNAバーコーディングで頻繁に用いられるCOI領域を対象にサンガーシークエンシング解析も行い、DNAバーコーディング法で解析をした。
研究項目3:生息場適性モデルの開発 各地点の環境変数から各種の個体群密度の空間分布を予測する生息場適性モデルの作成に着手した。この生息場適性モデルでは、環境変数を教師データとする機械学習を用いるため、現地で観測した環境変数データに加えて、水文流出モデルに基づいて、各地点の濁度、水温(日最高、最低、平均)、流速、水深を予測するサブモデルを作成した。60地点のうち代表的な8地点の観測データを取得し、サブモデルの予測精度を検証し、適切な精度のサブモデルを作成できたことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目2(選択性遺伝子座のゲノムワイド検索)においては、次世代シークエンサーを用いたddRAD解析のライブラリー作成を完了した。次年度中にはddRAD解析は完了させられる目途が立った。
研究項目3(生息場適性モデルの開発)では、ddRAD解析による遺伝子頻度データを取得できたら、生息場適性モデルを完成できるめどがたった。
以上の理由から、概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目2(選択性遺伝子座のゲノムワイド検索)においては、次世代シークエンサーを用いたddRAD解析を完了させる。また、メタゲノム解析で5地点から得たデータのバイオインフォマティクス解析を完了させる。
研究項目3(生息場適性モデルの開発)では、各地点の環境変数から各種の個体群密度の空間分布を予測する生息場適性モデルを完成させる。
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Research Products
(5 results)